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復興財源確保法成立

「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」が国会で可決成立し、12月2日に公布されました。時限的な税制措置としては、所得税、法人税、個人住民税について、復興特別税として増税が行われます。

・復興特別所得税
 2013年1月から25年間基準所得税額(注1)の2.1%

・復興特別法人税
 各課税事業年度(2012年4月1日から2015年3月31日までの期間内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する各事業年度)の基準法人税額(注2)の10%
*2012年4月1日以後に開始する事業年度から法人実効税率は約5%引き下げられます。

・個人住民税(均等割)
 2014年6月から10年間1人あたり年1,000円


(注1)基準所得税額
納税義務者の区分に応じて定められた、外国税額控除適用前の所得税の額

① 非永住者以外の居住者
全ての所得に対する所得税の額
② 非永住者
国内源泉所得及び国外源泉所得のうち国内払のもの又は国内に送金されたものに対する所得税の額
③ 非居住者
国内源泉所得に対する所得税の額
④ 内国法人
利子等及び配当等などに対する所得税の額
⑤ 外国法人
国内源泉所得のうち利子等及び配当等などに対する所得税の額


(注2)基準法人税額
特定同族会社の特別税率、所得税額控除、外国税額控除、仮装経理に基づく過大申告
の場合の更正に伴う法人税額の控除等の適用前の法人の各事業年度の法人税額

復興特別税は確定申告書とは別に申告書の作成と提出の必要があり、申告期限はそれぞれの確定申告書と同じになります。復興特別税の申告書の提出を行うことにより、源泉徴収された復興特別所得税は、復興特別法人税あるいは復興特別所得税から控除されます。控除額が、復興特別税の納税額を上回る場合には還付されます。


増税規模は総額10.5兆円であり、内訳は所得税7.5兆円、法人税2.4兆円、個人住民税0.6兆円となります。

| 2011.12.20 | STCニュース |

平成24年度税制改正大綱の概要

平成24年度税制改正大綱が、12月10日に閣議決定されました。

中小企業の支援のための、中小企業投資促進税制の拡充・延長等や省エネ住宅に係るローン減税や贈与税一部非課税措置を図る一方、個人の所得税の増税、地球温暖化対策税の創設などの負担増も見られます。
焦点であった自動車重量税と自動車取得税については、自動車重量税の一部を軽減し、エコカー減税の継続をすることとし、その他国際的租税回避の防止策も盛り込まれています。

平成23年度税制改正予定であった相続税の改正は今年も見送られていますが、消費税増税や社会保障制度の確立、東日本大震災の復興支援増税を念頭に置いたものとなっています。

主な概要は、以下の通りです。

1. 所得課税
(1)給与所得控除の見直し
①給与所得控除の上限設定
給与等の収入が1,500万円を超える場合の給与所得控除については、245万円の上限を設定
②特定支出(資格取得費、勤務必要経費)の範囲の拡大 ※勤務必要経費は上限65万円
③特定支出の合計額が、次の金額を超える場合、その超える部分の金額を給与所得控除額に加算
  ・その年の給与等の収入1,500万円以下:その年中の給与所得控除額の2分の1
  ・その年の給与等の収入1,500万円超:125万円
 (注)平成25年分以後の所得税及び平成26年度分以後の個人住民税について適用

(2)退職所得課税の見直し
勤続年数5年以下の法人役員等の退職所得について、2分の1課税を廃止
(注)平成25年分以後の所得税について適用。個人住民税は平成25年1月1日以後に支払われるべき退職手当等について適用。

(3)源泉徴収に係る所得税の納期に関する特例
①7月から12月までに支払った給与・退職手当等につき徴収した所得税の納期限を翌年1月20日(現行:翌年1月10日)とする。
②給与・退職手当等につき源泉徴収した所得税の納期限の特例の廃止
(注)平成24年7月1日以後支払う給与・退職手当等につき適用

(4)住宅借入金等を保有する場合の所得税控除について、認定省エネルギー建築物のうち一定の住宅(以下、「認定住宅」)の新築又は取得をして、平成24年又は25年に居住の用に供した場合における住宅借入金等の年末残高の限度額を拡大。
23.12-1.png  
2. 資産課税
(1)住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置(現行1,000万円)を拡充・延長
 ①省エネルギー性・耐震性を備えた良質な住宅家屋の場合
平成24年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,500万円
平成25年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,200万円
平成26年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,000万円
  東日本大震災の被災者は、1,500万円
 ②上記以外の住宅用家屋の場合
平成24年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,000万円
平成25年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合  700万円
平成26年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合  500万円
 東日本大震災の被災者は、1,000万円
※対象となる住宅用家屋の床面積は東日本大震災の被災者を除き240㎡以下
 (注)平成24年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金につき適用

(2)住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例の適用期限を3年延長

(3)相続税の連帯納付義務について、次の場合はその義務を解除
①申告期限等から5年を経過した場合(ただし、申告期限等から5年を経過した時点で連帯納付義務の履行を求めているものについては、継続して履行を求めることができる)
②納税義務者が延納又は納税猶予の適用を受けた場合
 (注)平成24年4月1日以後に申告期限が到来する相続税につき適用

(4)新築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を2年延長
(5)原子力災害非難区域等に固定資産税等の免除・減額措置を適用

3. 法人課税
(1)研究開発税制の上乗せ特例を2年延長
(2)環境関連投資促進税制を拡充
(3)中小企業投資促進税制について、対象資産に製品の品質管理の向上に資する試験機器等を追加するとともに、デジタル複合機の範囲の見直しを行った上、適用期限を2年延長
(4)交際費等の損金不算入制度、中小法人に係る損金算入の特例の適用期限を2年延長
(5)使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例の適用期限を2年延長
(6)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限を2年延長
(7)東日本大震災被災地域における各種特別償却・税額控除の創設


4. 消費課税
(1)消費税・たばこ税・酒税税率引き上げを検討


5. 環境関連税制
(1)車体課税
①自動車重量税の一部軽減
・車検証の交付等の時点で燃費等の環境性能に関する一定の基準(燃費基準等の切り替えに応じて変更。現時点では平成27年度燃費基準等)を満たしている自動車には、平成24年5月1日以降、本則課税を適用する。それ以外の自動車に適用される「当分の間税率」について、13年超の自動車を除き、引き下げを行う。
・「エコカー減税」について、燃費基準等の切り替えを行うとともに、自動車重量税については特に環境性能に優れた自動車に対する軽減措置を拡充した上で、適用期限を
3年延長する。
② 自動車取得税
「エコカー減税」について、燃費基準の切り替えを行うとともに、適用期限を3年延長する。

(2)エネルギー課税
①「地球温暖化対策のための課税の特例」を創設し、CO2排出量に応じた税率を上乗せ
(注)平成24年10月1日以後適用

6. 国際課税
(1)国内担保法の整備
2011年11月に税務行政執行共助条約に署名したこと等を踏まえ、条約の国内担保法の整備の一環として、徴収共助に関する規定の見直しを行う。

(2)国外財産調書の提出
①その年の12月31日において価額の合計額が5千万円を超える国外資産を保有する個人は、その保有する国外資産に係る調書を、翌年3月15日までに、税務署長に提出しなければならない。
(※)財産の評価は、原則として時価とする。
②国外財産調書の不提出・虚偽記載に関する罰則の設定
③過少申告加算税等の特例あり
(注)平成26年1月1日以後に提出すべき国外財産調書につき適用

(3)所得金額に比して過大な利子を関連者間で支払うことを通じた租税回避を防止するための措置を導入
  法人間の関連者に対する純支払利子等の額が、調整所得金額の50%を超える場合には、その超える部分の金額は、当期の損金の額に算入しない。
(注)平成25年4月1日以後に開始する事業年度につき適用


参考:財務省ホームページ
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/index.html

| 2011.12.16 | STCニュース |

通勤手当の非課税限度額の改正について

平成23年度税制改正により、自転車やマイカーなどの交通用具を使用して通勤する方が平成24年1月1日以後に受ける通勤手当の非課税限度額が変更となります。

<概要>
 マイカーなどで通勤している方の非課税となる1ヶ月あたりの限度額(以下「距離比例額」という。)は、次のように定められております。
23.12上.png
   
 また、マイカーなどを使用して通勤する方で通勤距離が片道15km以上である方が受ける通勤手当については、運賃相当額が距離比例額を超える場合には運賃相当額(最高限度額は月10万円)までが非課税とされています。
 (注)運賃相当額とはマイカーなどを使用して通勤する方が鉄道などの交通機関を利用したならば負担することとなるべき運賃等で通勤に必要な運賃、時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤経路及び方法による運賃又は料金の額に相当する金額を言います。

<改正点>
 今回の改正により、運賃相当額が距離比例額を超える場合に、運賃相当額(最高限度額は月10万円)までが非課税とされる措置が廃止とされました。これにより通勤手当の金額が距離比例額を超える場合に、その距離比例額を超える金額について給与として課税されることとなります。
 下記を参照してください。
23.12下.png
 
平成24年1月1日以後支給の通勤手当から変更となりますので、ご注意ください。

| 2011.12.09 |

長期譲渡損失の損益通算の遡及適用は合憲

平成16年法律第14号による租税特別措置法31条の改正により、長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額を他の各種所得の金額から控除する損益通算は認めないこととされました。当該改正法は、平成16年4月1日に施行されましたが、同条の規定は平成16年1月1日以後に行う土地等又は建物等の譲渡について適用するものとされたことが、納税者に不利益な遡及立法であって憲法84条に違反すると納税者が訴えた裁判でした。

 憲法84条では、『あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする』と定めており、租税法律主義を規定しています。
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 最高裁は、平成16年の暦年当初から適用することとされたのは、適用の始期を遅らせた場合、資産デフレの進行に歯止めをかけたいという立法目的にも関わらず、損益通算による租税負担の軽減を目的として土地等又は建物等を安価で売却する駆け込み売却が多数行われることになり、それを防止したいという公益上の要請に基づくものであったということができるとし、また、暦年の初日から改正法の施行日の前日までの期間をその適用対象に含めることにより暦年の全体を通じた公平が図られる面があり、また、その期間も暦年当初の3か月間に限られており、納税者においては、これによって損益通算による租税負担の軽減に係る期待に沿った結果を得ることができなくなるものの、それ以上に一旦成立した納税義務を加重されるなどの不利益を受けるものではない、と判断をし、遡及適用は憲法84条に違反するものではないとしました。

平成21(行ツ)73 通知処分取消請求事件  
平成23年09月22日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

| 2011.12.02 | STCニュース |

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