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長期譲渡損失の損益通算の遡及適用は合憲

平成16年法律第14号による租税特別措置法31条の改正により、長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額を他の各種所得の金額から控除する損益通算は認めないこととされました。当該改正法は、平成16年4月1日に施行されましたが、同条の規定は平成16年1月1日以後に行う土地等又は建物等の譲渡について適用するものとされたことが、納税者に不利益な遡及立法であって憲法84条に違反すると納税者が訴えた裁判でした。

 憲法84条では、『あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする』と定めており、租税法律主義を規定しています。
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 最高裁は、平成16年の暦年当初から適用することとされたのは、適用の始期を遅らせた場合、資産デフレの進行に歯止めをかけたいという立法目的にも関わらず、損益通算による租税負担の軽減を目的として土地等又は建物等を安価で売却する駆け込み売却が多数行われることになり、それを防止したいという公益上の要請に基づくものであったということができるとし、また、暦年の初日から改正法の施行日の前日までの期間をその適用対象に含めることにより暦年の全体を通じた公平が図られる面があり、また、その期間も暦年当初の3か月間に限られており、納税者においては、これによって損益通算による租税負担の軽減に係る期待に沿った結果を得ることができなくなるものの、それ以上に一旦成立した納税義務を加重されるなどの不利益を受けるものではない、と判断をし、遡及適用は憲法84条に違反するものではないとしました。

平成21(行ツ)73 通知処分取消請求事件  
平成23年09月22日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

| 2011.12.02 | STCニュース |

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