最高裁 法人負担の保険料、所得税の控除対象と認めず
最高裁判所第二小法廷は1月13日に、法人が負担した保険料は、満期保険金を取得した法人役員の所得税の控除対象と認めないという判決を下した。

原審では、所得税法34条2項の文言からは、控除できる保険料等が、所得者本人が負担した金額に限られるかどうか明らかでは無く、同法施行令183条2項2号では保険料総額を控除できるものと定めており、同法基本通達34-4が規定する保険料又は掛金の額には一時金の支払いを受ける者以外の者が負担した保険料又は掛金の額も含まれているという理由から、法人が負担した分も含め、保険料全額を控除できるとものと判断し、納税者の請求を認めた。
しかし、最高裁では、『一時所得に係る支出が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に該当するためには、それが当該収入を得た個人において自ら負担して支出したものといえる場合でなければならないと解するのが相当』、『本件保険金に係る一時所得の金額の計算において控除することはできないものというべき』と解し、法人が保険料として損金算入した部分は、必要経費として控除できないと判断、原審の判決を破棄した。
また、1月16日にも、類似事件に対し同じ旨の最高裁判決が下されている。
問題となった養老保険は、一般的な法人契約である「死亡保険金の受取人を従業員遺族、満期保険金の受取人を法人とする養老保険」とは逆の形態であり、保険期間が3年又は5年と短く、法人税基本通達の想定外のものであった。
これらの事件をきっかけに、法人契約の養老保険を利用する租税回避を防止するため、平成23年度税制改正では、個人が支払いを受けた生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の計算上、その支払を受けた金額から控除することができる保険料は、給与所得に係る収入金額に算入された金額に限る旨が、規定された。
| 2012.01.30 | STCニュース |
法人税基本通達等の一部改正
国税庁は平成23年12月28日「法人税基本通達の制定について」他4件の法令解釈通達の一部について、平成23年6月税制改正に関する事項の改正を公表しました。主な改正点は、次の通りです。
① 法人税基本通達等関係
平成23年6月税制改正による耐用年数短縮特例に対応する通達が新設されました。
耐用年数短縮特例とは、税務上、実際の耐用年数が法定耐用年数に比べて著しく短いこととなった場合に、所轄国税局庁の承認を受ければ、未経過使用可能期間を法定耐用年数とみなし、将来にわたって減価償却費を調整することができるというものです。
新設
・機械及び装置以外の減価償却資産の未経過使用可能期間の算定(法基通7-3-20の2)
機械及び装置以外の減価償却資産に係る未経過使用可能期間は、使用可能期間を算定しようとする時から通常の維持補修を加え、通常の使用条件で使用するものとした場合において、通常予定される効果をあげることができなくなり更新または廃棄されると見込まれる時期までの見積年数(1年未満の端数切捨て)によることを明らかにしています。
・機械及び装置の未経過使用可能期間の算定(法基通7-3-21の2)
機械及び装置の未経過使用可能期間は、個々の資産の取得価額(償却基礎価額)及びその個々の資産の使用可能期間を基礎として、耐用年数通達の未経過使用可能期間の算定式に従って算定した年数によると定められました。
・総合償却資産の未経過使用可能期間の算定(耐通1-6-1の2)
総合償却資産の未経過使用可能期間は、総合償却資産の未経過期間対応償却基礎価額を、個々の資産の年要償却額の合計額で除して計算した年数(1年未満の端数は切り捨て、その年数が2年未満の場合は2年とする。)によることを明らかにしています。
* 未経過期間対応償却基礎価額とは、個々の資産の年要償却額(償却基礎価額を使用可能期間で除した額をいう。)に経過期間の月数を乗じて12で除して計算した金額の合計額を、個々の資産の償却基礎価額の合計額から控除した残額をいいます。
② 租税特別措置法通達関係
平成23年6月改正により創設された雇用促進税制では、当期における給与支給額が、前期における給与支給額に雇用者の増加割合を乗じて計算した金額に比して30%以上増加していることが条件となっています。
この給与の支給に充てるため、他の者から支払を受ける金額は、給与支給額の算定から控除する必要がありますが、その金額について次のように定められました。
新設
他の者から支払を受ける金額の範囲(措通42の12-2)
① 特定就職困難者雇用開発助成金、特定求職者雇用開発助成金など、労働者の雇入れ人数に応じて国等から支給を受けた助成金の額
② 法人の使用人が他の法人に出向した場合において、その出向者に対する給与を出向元法人が支給することとしているときに、出向元法人が出向先法人から支払を受けた給与負担金の額
その他、外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン対策税制)について配当収入の効力発生日は現地国法令が優先されること、特定所得の源泉税等の額が配当収入や利子収入の控除対象となることが、留意的に示されました。
| 2012.01.25 | STCニュース |
震災特例法の一部を改正する法律
平成23年4月27日に、東日本大震災の被災者等の負担の軽減等を図るため、「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」(以下、「震災特例法」といいます。)が施行されました。
また、平成23年12月14日には、東日本大震災の被災者等の負担の軽減及び東日本大震災からの復興に向けた取組の推進を図るため、「震災特例法の一部を改正する法律」が施行されました。
この「震災特例法の一部を改正する法律」の施行により新たに追加された措置について、所得税・法人税に関する項目をいくつかまとめてみました。
<所得税>
(1) 住宅借入金等特別控除の特例
① 住宅の再取得等に係る住宅借入金等特別控除の控除額の特例
東日本大震災によって自己の所有する家屋が被害を受けたことにより、自己の居住の用に供することができなくなった方が、住宅の取得等をしてその住宅を居住の用に供した場合には、選択により通常の住宅借入金等特別控除の適用に代えて下記の居住年に応じた控除率による「住宅の再取得等に係る住宅借入金等特別控除の控除額の特例」を適用できます。(控除期間は10年)
(注)この特例の対象となる住宅の再取得等とは1.住宅の新築や購入の場合2.家屋の増改築等の場合をいいます。

②東日本大震災によって居住の用に供することができなくなった家屋に係る住宅借入金等特別控除と再取得等をした住宅に係る住宅借入金等特別控除の重複適用の特例
東日本大震災によって居住の用に供することができなくなった家屋に係る住宅借入金等特別控除と東日本大震災の被災者の住宅の再取得等の場合の住宅借入金等特別控除は重複して適用できます。この場合控除額はそれぞれの控除額の合計額となります。
(2)雑損控除の損失額の計算等における災害関連支出に係る対象期間の延長の特例
災害関連支出については、その災害がやんだ日から1年以内に支出したものが雑損控除の対象となりますが、東日本大震災により住宅や家財に損害が生じた場合には3年以内に支出されるものが対象となります。
(3)雑損失の繰越控除等の要件の改正
雑損失の金額でその年分の所得金額から控除しきれない金額を、翌年以後繰越して控除する場合は①損失が生じた年分につき、原則としてその損失に関する事項を記載した確定申告書を確定申告期限までに提出していること②その翌年以後の年分につき、連続して確定申告書を提出していることがその要件とされていましたが、①の要件については確定申告書を確定申告期限後に提出した場合でも適用を受けることができることとされました。
(4)復興特別区に係る税制上の特例措置
・所得税額の特別控除
認定地方公共団体の指定を受けた方が、その指定があった日から5年を経過する日までの期間(以下「適用期間」という。)内の日の属する各年の適用期間内において、復興産業集積区域内の事業所で雇用する被災者等に対して給与等を支給した場合には、その支給した額の10%相当額(事業所得にかかる所得税額の20%を限度。)をその年分の所得税額から控除できます。
上記特例措置のほか、事業用設備等の特別償却等、開発研究用資産の特別償却等、被災者向け優良賃貸住宅の特別償却等の特例措置あり
(5)被災代替資産等の特別償却の対象への二輪車等の追加等
被災代替資産等(東日本大震災により滅失等した建物・構築物・機械装置・船舶・車両運搬具等で適用要件・適用範囲を満たすもの)を平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に事業の用に供した場合には、取得時期等に応じた一定の償却割合を乗じた金額の特別償却をすることが可能とされてますが、この被災代替資産等に二輪車等が追加されました。
(6)被災者向け優良賃貸住宅の割増償却
特定激甚災害地域内において、平成23年12月14日から平成26年3月31日までの間に、被災者向け優良賃貸住宅を取得又は新築してこれを賃貸の用に供した場合には、賃貸の用に供した日以後5年内の各年について、不動産所得の金額の計算上、その被災者向け優良賃貸住宅の償却費としてその年の普通償却額の100分の150(耐用年数35年以上のものは100分の170)に相当する金額を必要経費に算入することができます。
(7)買換資産の取得期間等の延長の特例
買換えの特例等の適用を受ける方が、東日本大震災に起因するやむを得ない事情により、買換資産等の取得をすべき期間内にその取得をすることが困難となったときには、納税地の所轄税務署長の承認手続きを経て、その取得をすべき期間を経過した日以後2年以内の日で買換資産等を取得できるものとして税務署長が認定した日等までその取得をすべき期間の延長が認められます。
(8)被災居住用財産の敷地に係る譲渡期限の延長の特例
所有しその居住の用に供していた家屋が、東日本大震災により滅失等したことによって、居住の用に供することができなくなった方について、その居住用家屋の敷地の用に供されていた土地等を譲渡した場合の次に掲げる譲渡所得の課税の特例に係る譲渡期間の要件が、災害のあった日から7年(措置法では3年)を経過する日の属する年の12月31日までの間とすることとされました。
①居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
②居住用財産の譲渡所得の特別控除
③特定の居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例
④居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
⑤特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
その他下記の特例が追加されております。
(9) 復興指定会社が発行した株式を取得した場合の寄付金控除の適用
(10)確定優良住宅地等予定地のための譲渡の特例期間の延長の特例
(11)被災市街地復興土地区画整理事業による換地処分に伴い代替住宅等を取得した場合の譲渡所得の課税の特例
(12)被災市街地復興土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除の特例等
<法人税>
(1)復興特別区域制度の創設に伴う特例
①新規立地促進税制
東日本大震災復興特別区域法(以下「復興特区法」という。)の施行日から平成28年3月31日までの間に認定地方公共団体の指定を受けた法人で、復興産業集積区域内に新設されたものについては、指定のあった日から同日以後5年を経過する日までの期間(以下「適用期間」という)内の日を含む各事業年度において法人税の課税が繰り延べられるよう、次の特例を受けることができます。
1.所得金額を限度として再投資等準備金を積み立てたときは、その積立金を損金の額に算入できます。
2.復興産業集積区域内で機械又は建物等に再投資等を行った事業年度において、準備金残高を限度として特別償却ができます。
(2)被災雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除
復興特区法の施行日から平成28年3月31日までの間に認定地方公共団体の指定を受けた法人が、適用期間内の日を含む各事業年度において、復興産業集積区域内の事業所で雇用する被災者に対して給与等を支給する場合には、適用期間内の給与等支給額の10%税額控除(法人税額の20%を限度。)ができます。
上記特例措置のほか、事業用設備等の特別償却等、研究開発税制の特例等、被災者向け優良賃貸住宅の特別償却等の特例措置あり
(3)被災代替資産等の特別償却の特例
震災特例法で措置された被災代替資産等の特別償却の特例について、特別償却の対象となる被災代替資産に二輪車等が追加されています。
(4)被災者向け優良賃貸住宅の割増償却の特例
平成23年12月14日から平成26年3月31日までの間に特定激甚災害地域内において新築された被災者向け優良賃貸住宅の取得等をして、賃貸の用に供した場合には、5年間、普通償却限度額の50%(耐用年数35年以上のものは70%)の割増償却ができます。
(5)災害による繰越損失金の範囲の改正
災害損失欠損金額となる災害により生じた損失額の範囲について、東日本大震災などの大規模な災害の場合には、災害のやんだ日の翌日から3年(改正前は1年)以内に支出する費用に係る損失の額が含まれます。
その他下記の特例が追加されております。
(6)被災市街地復興土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除の特例等
| 2012.01.20 | STCニュース |
復興財源確保法成立
「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」が国会で可決成立し、12月2日に公布されました。時限的な税制措置としては、所得税、法人税、個人住民税について、復興特別税として増税が行われます。
・復興特別所得税
2013年1月から25年間基準所得税額(注1)の2.1%
・復興特別法人税
各課税事業年度(2012年4月1日から2015年3月31日までの期間内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する各事業年度)の基準法人税額(注2)の10%
*2012年4月1日以後に開始する事業年度から法人実効税率は約5%引き下げられます。
・個人住民税(均等割)
2014年6月から10年間1人あたり年1,000円
(注1)基準所得税額
納税義務者の区分に応じて定められた、外国税額控除適用前の所得税の額
① 非永住者以外の居住者
全ての所得に対する所得税の額
② 非永住者
国内源泉所得及び国外源泉所得のうち国内払のもの又は国内に送金されたものに対する所得税の額
③ 非居住者
国内源泉所得に対する所得税の額
④ 内国法人
利子等及び配当等などに対する所得税の額
⑤ 外国法人
国内源泉所得のうち利子等及び配当等などに対する所得税の額
(注2)基準法人税額
特定同族会社の特別税率、所得税額控除、外国税額控除、仮装経理に基づく過大申告
の場合の更正に伴う法人税額の控除等の適用前の法人の各事業年度の法人税額
復興特別税は確定申告書とは別に申告書の作成と提出の必要があり、申告期限はそれぞれの確定申告書と同じになります。復興特別税の申告書の提出を行うことにより、源泉徴収された復興特別所得税は、復興特別法人税あるいは復興特別所得税から控除されます。控除額が、復興特別税の納税額を上回る場合には還付されます。
増税規模は総額10.5兆円であり、内訳は所得税7.5兆円、法人税2.4兆円、個人住民税0.6兆円となります。
| 2011.12.20 | STCニュース |
平成24年度税制改正大綱の概要
平成24年度税制改正大綱が、12月10日に閣議決定されました。
中小企業の支援のための、中小企業投資促進税制の拡充・延長等や省エネ住宅に係るローン減税や贈与税一部非課税措置を図る一方、個人の所得税の増税、地球温暖化対策税の創設などの負担増も見られます。
焦点であった自動車重量税と自動車取得税については、自動車重量税の一部を軽減し、エコカー減税の継続をすることとし、その他国際的租税回避の防止策も盛り込まれています。
平成23年度税制改正予定であった相続税の改正は今年も見送られていますが、消費税増税や社会保障制度の確立、東日本大震災の復興支援増税を念頭に置いたものとなっています。
主な概要は、以下の通りです。
1. 所得課税
(1)給与所得控除の見直し
①給与所得控除の上限設定
給与等の収入が1,500万円を超える場合の給与所得控除については、245万円の上限を設定
②特定支出(資格取得費、勤務必要経費)の範囲の拡大 ※勤務必要経費は上限65万円
③特定支出の合計額が、次の金額を超える場合、その超える部分の金額を給与所得控除額に加算
・その年の給与等の収入1,500万円以下:その年中の給与所得控除額の2分の1
・その年の給与等の収入1,500万円超:125万円
(注)平成25年分以後の所得税及び平成26年度分以後の個人住民税について適用
(2)退職所得課税の見直し
勤続年数5年以下の法人役員等の退職所得について、2分の1課税を廃止
(注)平成25年分以後の所得税について適用。個人住民税は平成25年1月1日以後に支払われるべき退職手当等について適用。
(3)源泉徴収に係る所得税の納期に関する特例
①7月から12月までに支払った給与・退職手当等につき徴収した所得税の納期限を翌年1月20日(現行:翌年1月10日)とする。
②給与・退職手当等につき源泉徴収した所得税の納期限の特例の廃止
(注)平成24年7月1日以後支払う給与・退職手当等につき適用
(4)住宅借入金等を保有する場合の所得税控除について、認定省エネルギー建築物のうち一定の住宅(以下、「認定住宅」)の新築又は取得をして、平成24年又は25年に居住の用に供した場合における住宅借入金等の年末残高の限度額を拡大。
2. 資産課税
(1)住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置(現行1,000万円)を拡充・延長
①省エネルギー性・耐震性を備えた良質な住宅家屋の場合
平成24年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,500万円
平成25年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,200万円
平成26年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,000万円
東日本大震災の被災者は、1,500万円
②上記以外の住宅用家屋の場合
平成24年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,000万円
平成25年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 700万円
平成26年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 500万円
東日本大震災の被災者は、1,000万円
※対象となる住宅用家屋の床面積は東日本大震災の被災者を除き240㎡以下
(注)平成24年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金につき適用
(2)住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例の適用期限を3年延長
(3)相続税の連帯納付義務について、次の場合はその義務を解除
①申告期限等から5年を経過した場合(ただし、申告期限等から5年を経過した時点で連帯納付義務の履行を求めているものについては、継続して履行を求めることができる)
②納税義務者が延納又は納税猶予の適用を受けた場合
(注)平成24年4月1日以後に申告期限が到来する相続税につき適用
(4)新築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を2年延長
(5)原子力災害非難区域等に固定資産税等の免除・減額措置を適用
3. 法人課税
(1)研究開発税制の上乗せ特例を2年延長
(2)環境関連投資促進税制を拡充
(3)中小企業投資促進税制について、対象資産に製品の品質管理の向上に資する試験機器等を追加するとともに、デジタル複合機の範囲の見直しを行った上、適用期限を2年延長
(4)交際費等の損金不算入制度、中小法人に係る損金算入の特例の適用期限を2年延長
(5)使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例の適用期限を2年延長
(6)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限を2年延長
(7)東日本大震災被災地域における各種特別償却・税額控除の創設
4. 消費課税
(1)消費税・たばこ税・酒税税率引き上げを検討
5. 環境関連税制
(1)車体課税
①自動車重量税の一部軽減
・車検証の交付等の時点で燃費等の環境性能に関する一定の基準(燃費基準等の切り替えに応じて変更。現時点では平成27年度燃費基準等)を満たしている自動車には、平成24年5月1日以降、本則課税を適用する。それ以外の自動車に適用される「当分の間税率」について、13年超の自動車を除き、引き下げを行う。
・「エコカー減税」について、燃費基準等の切り替えを行うとともに、自動車重量税については特に環境性能に優れた自動車に対する軽減措置を拡充した上で、適用期限を
3年延長する。
② 自動車取得税
「エコカー減税」について、燃費基準の切り替えを行うとともに、適用期限を3年延長する。
(2)エネルギー課税
①「地球温暖化対策のための課税の特例」を創設し、CO2排出量に応じた税率を上乗せ
(注)平成24年10月1日以後適用
6. 国際課税
(1)国内担保法の整備
2011年11月に税務行政執行共助条約に署名したこと等を踏まえ、条約の国内担保法の整備の一環として、徴収共助に関する規定の見直しを行う。
(2)国外財産調書の提出
①その年の12月31日において価額の合計額が5千万円を超える国外資産を保有する個人は、その保有する国外資産に係る調書を、翌年3月15日までに、税務署長に提出しなければならない。
(※)財産の評価は、原則として時価とする。
②国外財産調書の不提出・虚偽記載に関する罰則の設定
③過少申告加算税等の特例あり
(注)平成26年1月1日以後に提出すべき国外財産調書につき適用
(3)所得金額に比して過大な利子を関連者間で支払うことを通じた租税回避を防止するための措置を導入
法人間の関連者に対する純支払利子等の額が、調整所得金額の50%を超える場合には、その超える部分の金額は、当期の損金の額に算入しない。
(注)平成25年4月1日以後に開始する事業年度につき適用
参考:財務省ホームページ
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/index.html
| 2011.12.16 | STCニュース |
長期譲渡損失の損益通算の遡及適用は合憲
平成16年法律第14号による租税特別措置法31条の改正により、長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額を他の各種所得の金額から控除する損益通算は認めないこととされました。当該改正法は、平成16年4月1日に施行されましたが、同条の規定は平成16年1月1日以後に行う土地等又は建物等の譲渡について適用するものとされたことが、納税者に不利益な遡及立法であって憲法84条に違反すると納税者が訴えた裁判でした。
憲法84条では、『あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする』と定めており、租税法律主義を規定しています。
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最高裁は、平成16年の暦年当初から適用することとされたのは、適用の始期を遅らせた場合、資産デフレの進行に歯止めをかけたいという立法目的にも関わらず、損益通算による租税負担の軽減を目的として土地等又は建物等を安価で売却する駆け込み売却が多数行われることになり、それを防止したいという公益上の要請に基づくものであったということができるとし、また、暦年の初日から改正法の施行日の前日までの期間をその適用対象に含めることにより暦年の全体を通じた公平が図られる面があり、また、その期間も暦年当初の3か月間に限られており、納税者においては、これによって損益通算による租税負担の軽減に係る期待に沿った結果を得ることができなくなるものの、それ以上に一旦成立した納税義務を加重されるなどの不利益を受けるものではない、と判断をし、遡及適用は憲法84条に違反するものではないとしました。
平成21(行ツ)73 通知処分取消請求事件
平成23年09月22日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
| 2011.12.02 | STCニュース |
環境関連投資促進税制の創設
平成23年度税制改正で、青色申告法人が平成23年6月30日から平成26年3月31日までの期間内に、新品のエネルギー環境負荷低減推進設備等の取得又は製作若しくは建設(以下「取得等」という)をして、その取得等の日から1年以内に国内において事業の用に供した場合には、その事業の用に供した事業年度において、その設備等の取得価額の30%相当額の特別償却(中小企業者等は7%相当額の税額控除との選択適用)を行うことが可能となりました。
<適用対象法人>
・特別償却⇒青色申告書を提出する法人
・税額控除⇒中小企業者等で青色申告書を提出する法人
(注) 中小企業者等とは、次に掲げる法人です。
①資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
ただし、同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除く。以下同じ。)に発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上を所有されている法人及び2以上の大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を所有されている法人を除く。
②資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
<適用対象年度>
上記期間内にエネルギー環境負荷低減推進設備等の取得等をして、その事業の用に供した事業年度
<償却限度額>
特別償却限度額=エネルギー環境負荷低減推進設備等の取得価額×30%
<税額控除限度額>
税額控除限度額=エネルギー環境負荷低減推進設備等の取得価額の合計額×7%
(事業年度の法人税額の20%相当額を限度)
(注) 税額控除限度額がその事業年度の法人税額の20%相当額を超え、その事業年度において税額控除限度額の全部を控除しきれなかった金額(以下「繰越税額控除限度超過額」)については、1年間の繰越しが認められます。
<適用対象資産>
対象資産となるエネルギー環境負荷低減推進設備等は、取得等をした後事業の用に供されたことのない次に掲げる減価償却資産で、指定期間内に取得等をして、その取得等をした日から1年以内に事業の用に供されたものです。
1.エネルギーの有効な利用の促進に著しく資する機械その他の減価償却資産
①新エネルギー利用設備等・・・太陽光発電設備、風力発電設備、水熱利用設備、雪氷熱利用設備、バイオマス利用装置など
②二酸化炭素排出抑制設備等・・・熱併給型動力発生装置、ハイブリット自動車、電気自動車、ガス冷房装置など
2.建築物に係るエネルギーの使用の合理化に著しく資する設備
①エネルギー使用合理化設備・・・高断熱窓設備、高効率空気調和設備など
②エネルギー使用制御設備・・・測定装置、中継装置、可変風量制御装置など
<その他注意事項>
・一の資産についてこの制度による特別償却と税額控除との重複適用は認められません。
・当制度による特別償却又は税額控除の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の圧縮記帳、他の制度による特別償却又は他の税額控除の規定の重複適用は認められません。
・特別償却の適用を受けるためには、確定申告書等に償却限度額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。
また税額控除の適用を受けるためには、控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。
・特別償却の適用を受けることに代えて、特別償却限度額以下の金額を損金経理により特別償却準備金として積み立てること又はその事業年度の決算確定日までに剰余金の処分により特別償却準備金として積み立てることにより、損金の額に算入することも認められます。
| 2011.11.14 | STCニュース |
平成23年分 年末調整の改正点
平成22年度税制改正により、下記の通り扶養控除等の見直しが行われました。
平成23年分以後の所得税について適用されますので、年末調整の際にはご注意下さい。
1. 年齢16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)に対する扶養控除が廃止されました。
これに伴い、年齢16歳以上の扶養親族(控除対象扶養親族)が、扶養控除の対象となります。
2. 年齢16歳以上19歳未満の人の扶養控除の上乗せ部分(25万円)が廃止され、扶養控除の額が38万円となりました。
これに伴い、特定扶養親族の範囲が、年齢19歳以上23歳未満の人に変更されました。
3. 居住者の控除対象配偶者又は扶養親族が同居特別障害者である場合に、配偶者控除又は扶養控除の額に35万円を加算する措置は廃止され、同居特別障害者に対する障害者控除の額を1人につき75万円とする制度に改められました。


詳しくは、下記国税庁ホームページをご参照ください。
http://www.nta.go.jp/gensen/nencho/
| 2011.11.09 | STCニュース |
子育てサポート企業に対する税制優遇制度の創設
平成23年度税制改正で社員の育児環境整備に積極的な企業を支援するための税制優遇制度が設けられました。子育てサポート企業として、次世代育成支援への取り組みを推進している「くるみん」を取得された企業の皆様は、是非この税制優遇制度を積極的に活用してください。
「くるみん」とは、次世代法によって企業が従業員の仕事と子育ての両立について行動計画を策定し、その行動計画に定めた目標を達成するなど一定の要件を満たした場合に「子育てサポート企業」として認定を受けた際に発行されるマークです。
<1.税制優遇制度の概要>
次世代育成支援対策推進法(以下「次世代法」)に基づく認定を受け、「くるみん」を取得した企業は、認定を受ける対象となった一般事業主行動計画の計画期間開始の日から認定を受けた日を含む事業年度終了の日までの期間内に取得・新築・増改築をした建物等について、認定を受けた日を含む事業年度において、普通償却限度額の32%の割増償却ができます。
対象資産の通常の減価償却費(A)+(A)×32%
法人⇒損金算入 個人事業主⇒必要経費算入
<2 税制優遇制度の対象となる事業主の要件>
① 青色申告書を提出する事業主であること
② 平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に始まるいずれかの事業年度において、次世代法の認定を受けること
※個人事業主の場合は、平成24年1月1日から平成26年12月31日までの各年に次世代法の認定を受けた場合に対象となります。
※過去に認定を受けたことのある事業主が、当該期間内に新たに認定を受けた場合でも対象。
※当該期間内に複数回認定を受けた場合、最初の認定についてのみ対象。
<3 適用対象の建物等>
以下の①②のどちらにも当てはまる建物及びその附属設備(以下「建物等」)が
割増償却の対象となります。
① 次世代法の認定を受けた日を含む事業年度終了の日において、事業主が所有し、事業のために使用している建物等
②認定を受ける対象となった行動計画の(ア)計画期間開始の日から認定を受けた日を含む事業年度終了の日までの期間内に取得した建物等で、その建設の後、事業のために使用されていないもの、または(イ)その期間内に新築・増改築をした建物等
※ 所有権が移転しないリース取引により取得したものを除く。
※ 増改築の場合は、増改築のための工事を行ったことによって所有することとなった
建物等の部分に限る。
※ 「建物およびその附属設備」の例
●事務所用建物、店舗用建物、病院用建物、工場用建物、倉庫用建物、事業所内保育施設
●電気設備、アーケード・日よけ設備、給排水・衛生設備、ガス設備
当該取扱いについては、厚生労働省のホームページをご参照下さい。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/dl/jisedaihou.pdf
| 2011.10.20 | STCニュース |
中小企業倒産防止共済制度の改正(平成23年10月施行)
1.中小企業倒産防止共済制度
中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)とは、取引先業者が倒産し、売掛金債権等の回収が困難になった場合、企業者が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐために設けられています。
引き続き1年以上事業を行っている中小企業者の方が加入でき、加入後6ヶ月以上経過し、かつ6ヶ月分以上の掛金を納付している場合には、取引先業者が倒産し、売掛金債権等の回収が困難となったときは、無利子・無担保・無保証人で貸付が受けられます。
また、臨時に事業資金を必要とする場合は、機構解約の場合に受け取れる解約手当金の95%範囲内で一時貸付が受けられ、解約したい場合に12ヶ月分以上の掛金を納付している場合は、掛金の納付月数に応じて、掛金の総額75%~100%を手当金として受け取ることができます。
なお、払い込んだ掛金は、税法上、法人の場合は損金、個人の場合は必要経費に算入できます。
経営セーフティ共済は、中小企業倒産防止共済法に基づく共済制度であり、独立行政法人中小企業基盤整備機構により運営されています。
平成23年10月1日から、貸付限度額や掛金月額の上限が大幅に引き上げられるなど、制度をさらに充実したものとなり、中小企業の方には朗報です。
2.改正内容
平成22年4月21日に公布された、「中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律」が平成23年10月1日に施行されました。
主な改正点は、下記の通りです。
詳しくは、下記ホームページをご参照下さい。
独立行政法人中小企業基盤整備機構
http://www.smrj.go.jp/tkyosai/062332.html
| 2011.10.12 | STCニュース |
平成23年度 消費税改正
平成23年1月25日に国会へ提出された「所得税法等の一部を改正する法律案」、平成23年6月10に国会へ提出された「 現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」における消費税に関する改正内容について説明します。
■免税事業者の要件の見直し(消費税法第9条の2関係)
<現行>
前々年(個人)又は前々事業年度(法人)の課税売上高が1,000万円以下の事業者について、その課税期間の課税資産の譲渡等について、消費税を納める義務が免除されます。

<改正後>
個人事業者のその年又は法人のその事業年度につき、現行制度において事業者免税点制度の適用を受ける事業者のうち、次に掲げる課税売上高が1,000万円を超えるときは、消費税を納める義務は免除しないこととなりました。
① 個人事業者のその年の前年1月1日~6月30日までの課税売上高
② 法人のその事業年度の前事業年度(7月以下のものを除く)開始の日から6月間の課税売上高
③ 法人のその事業年度の前事業年度が7月以下の場合で、その事業年度の前1年内に開始した前々事業年度があるときは、当該前々事業年度の開始の日から6月間の課税売上高(当該前々事業年度が6月以下の場合には、当該前々事業年度の課税売上高)
なお、特定期間については、課税売上高に代えて、所得税法に規定する給与等の支払額で判定することもできるとしています。
当該改正は、平成25年1月1日以後に開始する年または事業年度から適用されます。
(附則第22条関係)

(注)前事業年度が7ヶ月以下である法人は、改正法による判定は不要となります。
但し、この場合も、当期開始の日前1年間に開始した前々期がある場合には、その 前々事業年度の開始日以後6月の期間(基準期間に含まれるものを除き、当該前々事業年度が6月以下の場合は、当該前々事業年度開始の日からその終了の日までの期間)の課税売上高により判定します。
■課税売上割合が95%以上の場合の仕入税額控除の見直し(消費税法第30条関係)
<現行>
非課税売上に対応する仕入は、原則、仕入税額控除は認められませんが、課税売上割合が95%以上の場合、課税仕入等の税額の全額控除が認められています。
<改正後>
95%ルールによる課税仕入等の税額の全額控除制度は撤廃されます。
但し、その課税期間の課税売上高が5億円以下の事業者に限り現行の95%ルールが適用されることとなりました。
従って、課税売上割合が95%以上である課税期間であっても、当該課税期間に係る課税売上高が5億円を超える場合は、個別対応方式又は一括比例配分方式により、仕入税額控除額を計算することになります。
なお、一括比例配分方式は、2年間の継続適用が求められており、有利判定には注意が必要です。
当該改正は、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。
■仕入税額控除に関する明細書添付の義務付け
現行では、消費税還付申告書(仕入税額控除の控除不足額の記載のあるものに限る)を提出する事業者に対し、任意に提出を依頼している「仕入税額控除に関する明細書」について、改正後は還付申告書への添付が義務付けられます。
当該改正は、平成24年4月1日以後に提出する還付申告書について適用されます。
■罰則の見直し
現行では、不正還付の未遂を罰する規定は設けられておりませんでしたが、改正後、不正還付の未遂を罰することになりました。
また、故意の申告書不提出によるほ脱犯の創設として、確定申告書をその提出期限までに提出しないことにより消費税を免れた者は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することになりました。
当該改正は、公布の日から起算して2月を経過した日以後にした違反行為について適用されます。
| 2011.09.27 | STCニュース |
雇用促進税制について
雇用促進税制とは、新たに人を雇用した場合に一定の要件を満たせば、従業員数の増加1人当たり20万円の税額控除を受けることができるという制度です。
新規に雇用を考えている事業主の方は要件等を確認してみてください。
概要は以下の通りです。
適用年度
・平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に始まるいずれかの事業年度(個人事業主の場合は、平成24年1月1日から平成26年12月31日までの各暦年)
対象となる事業主
・青色申告書を提出する事業主であること
・適用年度とその前事業年度に、事業主都合による離職者がいないこと
・適用年度に雇用者(雇用保険一般被保険者)の数を5人以上(中小企業の場合は2人以上)、かつ、10%以上(*1)増加させていること
・適用年度における給与等の支給額が、比較給与等支給額(*2)以上であること
・風俗営業及び性風俗関連特殊営業を営む事業主以外
*1 10%≦適用年度の雇用者増加数÷前事業年度末日の雇用者総数
*2 比較給与等支給額=前事業年度の給与等の支給額+前事業年度の給与等の支給額×雇用増加割合(*1で算出した割合)×30%
税額控除の限度額
・法人税額の10%(中小企業は20%)
事務手続
1.事業年度開始後2カ月以内に雇用促進計画をハローワークへ提出
2.事業年度終了後2カ月以内(個人事業主については3月15日まで)に、ハローワークで雇用促進計画の達成状況の確認を求め、確認を受けた雇用促進計画のコピーを確定申告書に添付して申告
*雇用促進計画の達成状況の確認には、約2週間(4~5月は1カ月程度)がかかるので注意が必要です。
期中に売上が伸びた等の理由で新規に人を雇用しても、事業開始後2カ月以内に雇用促進計画を提出していなければ、本制度の適用ができませんので、従業員20人以下の中小企業等において、2人以上の採用予定がある場合はとりあえず雇用促進計画をハローワークに提出しておくと良いかもしれません。
当該取扱いについては、厚生労働省のホームページをご参照下さい。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/koyousokushinzei.html
| 2011.09.16 | STCニュース |
生命保険料控除の改正について
平成22年度税制改正により、所得税の生命保険料控除について、平成24年分(申告期限は平成25年3月15日)から大幅に変更されることとなりました。
主な改正点は、生命保険料控除のうち現行制度における「一般生命保険料控除」・「個人年金保険料控除」に加えて、「介護医療保険料控除」が新たに新設されます。これに伴い控除限度額が変更となります。

(注) 平成24年1月1日以後に締結した保険契約等のうち、身体の傷害のみに基因して保険金が支払われる特約等に係る保険料は生命保険料控除の対象外になります。
この「介護医療保険料控除」は平成24年1月1日以後に締結をした保険契約から適用されます。申告する上では先の話ですが、制度改正前に締結をした保険契約については、現行制度における生命保険料控除が適用されるため、生命保険や医療保険などの変更や加入をご検討される方は注意が必要となります。
当該取扱いにつきましては、生命保険協会・国税庁のホームページをご参照ください。
生命保険協会:http://www.seiho.or.jp/data/other/deduction/index.html
国税庁 :http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1140.htm
| 2011.09.12 | STCニュース |
「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」に基づき作成された弁済計画に従い債権放棄が行われた場合の課税関係について
国税庁は、「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」に基づき作成された弁済計画に従い債権放棄が行われた場合の課税関係について、文書回答事例を公表しています。
これは、東日本大震災の影響により二重債務問題(住宅ローンや事業用資金などの既存の資金に加え、復興資金を借入なければならないという問題)を抱えた個人の債務者について、法的倒産手続によらずに、公正かつ迅速に債務整理を行うための取り扱いを示したものです。
債務者(個人)の私的整理に関するガイドラインが定められたことにより、このガイドラインに沿って債権放棄が行われた場合の、その債権放棄に係る対象債権者及び債務者の税務上の取り扱いは、以下の通りです
・債権者(法人)
債権放棄の日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入する。
(法人税基本通達9-6-1(3))
・債務者(個人)
債務免除益は各種所得の金額の計算上、収入金額又は総収入金額に算入しない。
(所得税基本通達36-17)
当該取扱いについては、国税庁のホームページをご参照下さい。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/bunshokaito/hojin/110816/index.htm
| 2011.08.31 | STCニュース |
平成12年から平成17年の間に相続等に係る生命保険契約等に基づく年金を受給していた方への特別還付金
遺族の方が年金として受給する生命保険金のうち、相続税の課税対象となった部分については、所得税の課税対象にならないとする最高裁判所の判決(平成22年7月6日)を受けて、平成22年10月に、相続等に係る生命保険契約等に基づく年金(保険年金)の税務上の取り扱いが変更されました。
これまでは、平成18年分~平成22年分の各年分について、所得税を納めすぎていた方には、還付手続きにより、その還付が行われてきました。
この度、平成12年分~平成17年分の各年分についても、納めすぎとなっている所得税に相当する額を特別還付金として支給する制度が創設されました。
還付請求をする場合は、請求期間の平成23年6月30日から平成24年6月29日までに、必要な書類を所轄税務署に提出する必要があります。
対象となる方は、次のいずれかに該当する方で保険契約等に係る保険料等の負担者でない方です。
①死亡保険金を年金形式で受給していた方
②学資保険の保険契約者がお亡くなりになったことに伴い、養育年金を受給していた方
③個人年金保険契約に基づく年金を受給していた方
当該取扱いについては、国税庁のホームページをご参照下さい。
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/topics/data/h22/sozoku_zoyo/seimeihoken.htm
| 2011.08.20 | STCニュース |
平成22年度税制改正大網が閣議決定2
前回のニューストピックスに引き続き平成22年度税制改正のポイントをご紹介していきたいと思います。今回は、法人税関連の改正の説明をいたします。なお改正内容は多岐に渡るため、全ての項目についてご紹介することはできませんので、あらかじめご了承ください。
【特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度の廃止】
平成18年度の税制改正において「特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入」という制度が設けられました。これは一定の要件を満たす同族会社については、業務主宰役員(主に社長)の給与の一部を損金不算入にするという増税規定です。
廃止時期は、平成22年4月1日以降終了事業年度からとなる予定です。この規定の対象となっていた同族会社にとっては朗報となります。ただし、平成23年度税制改正において、給与所得控除を含む所得税のあり方について議論し、抜本的措置を講じることとしておりますので、引き続き今後の議論の行方に注意が必要です。
【グループ内取引等に係る税制の見直し】
今回の改正でグループ法人税制の制度の見直しが行われ、グループ間での資産譲渡や寄付などについて一定の措置が設けられます。
改正点が多いので下記に一部をご紹介します。
1.100%グループ内の内国法人間で、一定の資産の移転を行ったことにより生ずる譲渡損益を、その資産のそのグループ外への移転などの時に、その移転を行った法人において計上する(つまり、グループ内での移転などの時には譲渡損益を計上しないということです。)。
2.100%グループ内の内国法人間の寄付金について、支出法人において全額損金不算入とするとともに、受領法人において全額益金不算入とする。
これらのグループ法人税制に係る改正は、一部を除き、平成22年10月1日から適用されます。
【中小企業の優遇税制の継続】
中小企業の優遇税制はほぼ継続という結果になりました。
下記に一部をご紹介します。
1. 交際費等の損金不算入制度(年間交際費600万円までの90%損金算入)について、その適用を2年間延長するとともに、中小法人に係る損金算入の特例の適用期限を2年間延長します。
2. 中小企業者等の少額減価償却資産の取得原価の損金算入の特例(1単位当たり30万円未満の資産の年間300万円までの一括損金算入)の適用期限を2年延長します。
3. 中小企業投資促進税制の2年延長
4. 中小企業等基盤強化税制の拡充
| 2010.03.01 | STCニュース |
平成22年度税制改正大綱が閣議決定
民主党新政権の下、昨年12月22日の臨時閣議において平成22年度税制改正大綱が決定しました。大綱は、これまでの「である」調の文章表現から「です」「ます」調に変わっており、国民の目線を考慮した文章表現となっていることや、納税者の立場に立って「公平・透明・納得」の三原則を税制改革の基本としていることが特徴的です。
以下、個人関連税制を中心に今回の改正の概要について説明いたします。
【扶養控除の改正】
子ども手当の創設に伴い、「所得控除から手当へ」の改革が行われました。年少部分(0歳~15歳)に係る扶養控除(38万円)が廃止に、地方税についても同様に年少部分に係る扶養控除(33万円)が廃止されました。特定扶養控除(16歳~22歳)では、高校の実質無償化に伴い、16歳以上19歳未満の部分に係る国の所得控除を63万円から38万円に、地方税の所得控除も45万円から33万円に圧縮されます。尚、これらの改正は、国税では平成23年分以後、地方税では平成24年度分以後の適用となります。
【生命保険料控除の改組】
平成24年1月1日以後に締結する保険契約等のうち、介護・医療保障を内容とする主契約・特約分が新たに「介護医療保険料控除」として一般生命保険料控除と別枠で設けられることになりました(適用限度額は国税4万円、地方税2.8万円)。
【少額上場株式非課税措置の創設】
現行の上場株式等に係る配当所得・譲渡所得の軽減税率が20%の本則税率に戻る平成24年1月1日から平成26年12月31日までの3年間、新たに開設する非課税口座内にある上場株式等の取得価額の合計額が年間100万円(1人1口座に限定)まで、配当所得・譲渡所得が最長10年間にわたり非課税とされました。
【譲渡所得関連の改正】
平成21年12月31日で期限切れを迎える「特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例」が、譲渡資産に係る対価の額を2億円以下とする要件を追加したうえで、平成23年12月31日まで2年間の適用期限の延長が認められました。
【その他の改正】
所得税の寄付金控除について、平成22年分以後の所得税から適用下限額が現行の5千円から2千円に引下げられました。また、小規模企業共済制度については所要の法律改正を前提に、個人事業者だけでなく共同経営者を追加する等、加入対象者の拡充が認められました。
| 2010.02.05 | STCニュース |
相続税の申告期限の延長について
平成20年10月1日から平成21年3月31日までの間に亡くなられた方に係る相続税については、平成21年度税制改正において「非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例」が創設されたことに伴い、一定の要件を満たす場合に、その申告期限が延長されます。
<判定方法>
下記の①および②を満たす場合、相続税の申告期限が平成22年2月1日まで延長されます。ただし、①を満たし②を満たさない場合、③および④を満たせば、同様に延長されます。
①被相続人の財産(遺産)の中に、非上場会社の株式または出資が含まれている。
②亡くなられた方は、その株式または出資に係る会社において、代表権を有していた。
③相続税の申告をされる方のうちに、亡くなられた方から過去に、特定受贈同族会社株式等・特定同族株式等といった非上場会社の株式または出資の贈与を受けた方がいる。
④亡くなられた方は、③の贈与をした株式または出資に係る会社において、代表権を有していた。
なお、上記の判定で申告期限が延長されない場合の申告期限は、相続の開始があったことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から10カ月目の日となります。
<注意事項>
●上記の判定において申告期限が延長されることとなった場合には、下記参考の「非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例」の適用の有無にかかわらず、その申告期限が延長されます。
●相続税の申告にあたっては、亡くなられた方が会社の代表権を有していたことを明らかにする書類(会社の登記事項証明書・法人税申告書の写しなど)の提出が必要です。
●上記における代表権とは、制限の加えられていないものに限ります。
●特定受贈同族会社株式とは、贈与を受けた方が税務署に提出した「特定受贈同族会社株式等に係る届出書」に記載された株式または出資をいいます。
●特定同族株式等とは「特定同族株式等の贈与の特例(相続時精算課税)の適用を受けた株式または出資をいいます。
【参考:非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例】
後継者である相続人等が、相続等により、非上場会社の株式または出資を取得し、その会社を経営していく場合には、その後継者が納付すべき相続税のうち、その株式または出資(一定の部分に限ります。)に係る課税価格の80%に対応する相続税については、その後継者の死亡等の日までその納税が猶予される特例です。
なお、後継者の死亡等により、納税が猶予されている相続税の納付が免除されます。また、この特例は、平成20年10月1日以降の相続等に係る相続税について遡及して適用されます。
この特例を適用するには、非上場会社について「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」の規定に基づく経済産業大臣の確認・認定を受けるなど、一定の要件を満たす必要があり、相続税の申告期限までに、納税が猶予される相続税額および利子税の額に見合う担保を提供する必要があります。
| 2010.01.08 | STCニュース |
ふるさと納税制度による住民税控除の実績
平成20年の地方税法改正により創設されたふるさと納税制度の実績が11月17日に開かれた政府税制調査会の資料で明らかになりました。
ふるさと納税制度とは、「ふるさと」に対し貢献又は応援したいという納税者の思いを実現するため、都道府県・市区町村が条例により指定した寄付をした場合、適用限度額(5千円)を超える部分について、一定の限度まで所得税と合わせて控除する寄付税制です。ここでいう「ふるさと」は自分の故郷に限らず、応援したい都道府県・市区町村ならどこでも構いません。
政府税制調査会の資料によると、寄付金控除の対象寄付金額約73億円のうち、平成21年度個人住民税から控除された額は約19億円(都道府県民税分は約8億円・市町村民税分は約11億円)となっています。
個人住民税については、都道府県や市区町村に対する指定寄付金のうち、5千円を超える部分について次の合計額の5分の2を都道府県民税から、5分の3を市町村民税から控除します。(税額控除方式)
対象寄付金の上限は都道府県や市区町村に対する寄付金以外の寄付金と合わせて総所得金額の30%が限度です。
① (都道府県・市町村指定の寄付金-5,000円)×10%
② (都道府県・市町村指定の寄付金-5,000円)×(90%-0~40%{所得税率})
* ②は個人住民税所得割の額の10%が限度
また、所得税については、寄付金額の5千円を超える分について、課税所得金額から控除されます。(所得控除方式)
対象寄付金の上限は、総所得金額の40%です。
控除を受けるためには、寄付をした都道府県や市区町村からもらった領収書を添付して、確定申告をすることが必要です。
地方自治体の中では、寄付を募るため、地元の特産品や温泉の招待券などを贈呈している所もあります。興味のある方はホームページ等で確認してみるのも良いでしょう。
| 2009.12.07 | STCニュース |
年末調整の準備及び必要な申告書
今年もそろそろ年末調整の時期が近づいてきました。年末調整をするためには、次の情報・証明書等及び申告書が必要となりますので、早めに揃えてもらうように事前に役員及び社員にPRすることが大切です。会社の状況によっても違いますが、だいたい12月はじめくらいまでには全て揃えるようにします。
情報・証明書等
① 扶養家族の氏名・生年月日【扶養控除等申告書に記入】なお、扶養家族の方で本年給与やアルバイト収入がある場合には、所得金額もあわせて確認します。
② 生命保険の控除証明書【保険料控除申告書に記入及び証明書の添付】
③ 地震保険の控除証明書【保険料控除申告書に記入及び証明書の添付】(損害保険料控除については、平成18年12月31日までに締結された長期損害保険契約に限ります)
④ 国民健康保険、国民年金保険料の金額【保険料控除申告書に記入及び国民年金保険料控除証明書の添付】本年中に支払った金額又は通帳から引き落とされた金額を確認します。
⑤ 小規模企業共済や心身障害者扶養共済制度の掛金額【保険料控除申告書に記入及び証明書の添付】
⑥ 住宅借入金等特別控除の明細書【住宅借入金等特別控除申告書に記入及び証明書等の添付】税務署から送付された証明書及び住宅金融支援機構国民金融公庫や銀行からの借入金残高証明書が必要です。なお、年末調整でこの規定の適用を受けられるのは、適用年度が2年目以降の方です。今年初めて適用を受ける場合には、確定申告が必要です。
⑦ 中途入社の社員や従業員については、前の会社の源泉徴収票
※医療費控除、雑損控除、寄付金控除については、確定申告が必要です。
上記の内容を下記の申告書にもれなく記入してもらい、期限を定めて提出してもらいます。
申告書
① 給与所得者の扶養控除等申告書
所得控除の対象となる扶養親族や配偶者の状況については、扶養控除等申告書により確認します。この申告書は、その年のはじめに会社に提出することになっていますが、子供が生まれたりしてその年中に状況が変わっている場合がありますので、少なくとも年末にはもう一度確認します。なお、提出し忘れている者がいる場合には、すぐに提出してもらいます。
② 給与所得者の保険料控除申告書
この申告書で、保険料控除の計算の基礎となる給与等から天引きされる以外の社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済等掛金控除を確認します。
③ 配偶者特別控除申告書
配偶者のパート収入などが103万円超141万円未満である場合には、この適用が受けられます。なお、配偶者の12月のパート収入がまだ出ていない場合でも見積り額を含めて計算します。ただし、本人の所得金額が1千万円を超える場合には、この適用は受けられません。
④ 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
税務署から送付された証明書と借入金の残高証明書を添付して提出してもらいます。初めて、この適用を受ける場合には、確定申告が必要です。
| 2009.11.11 | STCニュース |
各省庁による平成22年度税制改正要望項目の概要
各省庁の平成22年度税制改正要望が出揃いました。新政権の民主党は、与党内の税制調査会を廃止し、財務大臣の下に政治家をメンバーとする新たな政府税制調査会を設置し、政治家が責任を持って税制改正の作業や決定を行う考えのようです。現段階では22年度税制改正の決定プロセス及び内容について不明な点が多く、今後とも新政権の動きに注目する必要があります。
以下に各省庁による税制改正要望項目の概要をお知らせ致します。
【経済産業省】
「中小企業をはじめとするイノベーション促進と成長力の強化」として、研究開発促進税制や中小企業技術基盤強化税制について所要の見直しを行った上で適用期限を延長することを要望。また、連結納税制度の見直しを含むグループ法人の整備のほか、「企業活動のグローバル展開を支える税制の整備」として、1)海外投資家による国内社債への投資促進を図るための措置、2)外国子会社合算税制や移転価格税制など国際課税制度の見直し等を掲げています。
【金融庁】
少子高齢化が進む中で、わが国経済が持続的な成長に資する観点から、わが国金融・資本市場の競争力の一層の強化を図るため、1)個人投資家の積極的な市場参加を促す環境整備(「貯蓄から投資へ」の流れの促進)、2)海外投資家によるわが国金融・資本市場への投資の促進、を柱とした必要な税制上の措置を要望しました。
【厚生労働省】
長寿医療制度及び介護保険制度の対象者は一般的には所得が低いため、社会保険料控除の適用対象となってもその効果が無いケースも出てきます。要望では、納付方法の違いによる社会保険料控除の適用の差異を解消するため、特別徴収(公的年金からの天引き)の場合であっても、被保険者と生計を一にする配偶者その他の親族のいずれかが支払ったものとみなして社会保険料控除の適用を可能とする措置を求めています。
【国土交通省】
民間賃貸住宅に係る特例措置の創設などを盛り込んだ22年度税制改正要望を公表しました。同特例措置の創設は、良質な民間賃貸住宅ストックの形成を促すため、耐久性や省エネ性能等が確保された住宅の建設を促進することが目的。優遇措置は、所得税・法人税について、5年間で40%増(耐用年数35年以上の場合は55%増)の割増償却をするというものです。
【環境省】
地球温暖化対策(低炭素化促進)のための税制全体のグリーン化を中心とした要望事項を明らかにしました。環境税については、炭素排出に価格を付け、CO2に着目した課税とすることが効果的との基本的な考え方から、これまで新税としての炭素税の創設を要望してきましたが、今回も17年度改正要望から数えて6回目となる環境税の創設を盛り込んでいます。
| 2009.10.05 | STCニュース |
エンジェル税制の概要
この制度は、資金を必要としているベンチャー企業に対する投資を促進するために、個人投資家に対して税制上の優遇措置を講ずるものです。ベンチャー企業に対して、個人投資家が投資を行った場合、投資時点と、売却時点のいずれの時点でも税制上の優遇措置を受けることができます。
(1)投資時点での優遇措置
一定のベンチャー企業へ投資した個人投資家は、確定申告により以下のAまたはBの所得税減税が受けることができます。
<優遇措置A>
〔ベンチャー企業への投資額-5,000円〕をその年の総所得金額から控除
(控除対象となる投資額の上限は、1,000万円と総所得金額の40%のいずれか低い方)
<優遇措置B>
〔ベンチャー企業への投資額全額〕を、その年の他の株式譲渡益から控除
(2)売却時点での優遇措置
ベンチャー企業の株式を売却し、売却損失が出た場合には他の株式譲渡益と通算(相殺)が可能。通算しきれなかった場合は、翌年以降3年の株式譲渡益と通算(相殺)することができます。
(3)エンジェル税制の適用を受けるための要件
エンジェル税制の適用を受けるためには、投資を受けるベンチャー企業と、投資をする個人事業者それぞれが、必要な要件を満たす必要があります。
<ベンチャー企業の要件>
この制度の対象となるベンチャー企業は、以下のような要件を満たす未上場の企業で、事前に各地域の経済産業大臣の確認を受ける必要があります。
・優遇措置Aの対象企業は、設立後3年未満の中小企業者であること
・優遇措置Bの対象企業は、設立後10年未満の中小企業者であること
・外部から1/6以上の投資を受けていること
・一定の研究者や開発者がいること
・一定割合の試験研究費(宣伝費・マーケティング費用を含む)を支出していること
・大規模法人(資本金1億円超等)および当該大規模法人と特殊な関係(子会社等)にある法人の所有に属さないこと 等
<個人投資家の要件>
・金銭の払込により、対象となる企業の株式を取得していること
・投資先ベンチャー企業が同族会社である場合には、持株割合が大きいものから第3位までの株主グループの持株割合を順に加算し、その割合が初めて50%超になる時における株主グループに属していないこと
| 2009.09.07 | STCニュース |
平成21年度税制改正の概要
本年度税制改正において、現在の経済金融情勢を踏まえ、景気回復の実現に向けた観点から、以下の措置が講じられました。
【住宅・土地税制】
(1) 住宅税制
・ 住宅ローン減税の適用期限を5年間延長。最大控除可能額を500万円(長期優良住宅の場合は600万円)に引上げ。
・ 自己資金で長期優良住宅の新築等をする場合や省エネ及びバリアフリー改修を行う場合の税額控除制度を創設。
(2) 土地税制
・ 平成21年、22年に取得する土地を5年超所有して譲渡する際の譲渡益について1,000万円の特別控除制度を創設。
・ 事業者が平成21年、22年に土地を先行取得して、その後10年間に他の土地を売却した場合、その譲渡益課税を繰り延べることを可能とする制度を創設。
・ 土地の売買等に係る登録免許税の軽減措置の現行税率を2年間据え置き。
【法人関係税制】
・ エネルギー需給構造改革推進設備等や資源生産性の向上に資する設備等について、2年間即時償却を可能とする等の投資減税措置を導入。
【中小企業関係税制】
・ 中小法人等の軽減税率について、現行22%から18%に2年間引下げ。
・ 中小法人等の欠損金の繰戻し還付の適用停止の廃止。
【相続税制】
・ 中小企業の事業承継を円滑化するため、非上場株式等に係る相続税及び贈与税の納税猶予制度を導入。
・ 農地に係る相続税の納税猶予制度について、農地の有効利用を促進する貸付けも適用対象とする等の拡充。
【金融・証券税制】
・ 上場株式等の配当及び譲渡益について、現行7%(住民税とあわせて10%)軽減税率を3年間延長。
・ 少額投資のための簡素な優遇措置を平成22年度税制改正において創設(上記軽減税率が廃止され15%(住民税とあわせて20%)本則税率が実現する際に導入)。
・ 確定拠出年金について、個人拠出(マッチング拠出)を導入するとともに、拠出限度額を引上げ。
・ 生命保険料控除における新たな控除枠として、介護医療保険料控除を平成22年度税制改正において創設。
【国際課税】
・ わが国企業が海外市場で獲得する利益の国内還流に向けた環境整備のため、間接外国税額控除制度に代えて、外国子会社からの配当について親会社の益金不算入とする制度を導入。
【自動車課税】
・ 一定の排ガス性能・燃費性能等を備えた自動車に係る自動車重量税を時限的に減免。
【納税環境整備】
・ 電子申告に係る所得税額の特別控除制度の適用期限を2年間延長。
それぞれの適用年度や開始時期など、詳しい内容については、下記URLをご参考ください。
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/zeisei09/index.htm
| 2009.08.05 | STCニュース |
タックスヘイブン子会社から受ける配当等の注意点
平成21年度の税制改正では、内国法人が外国子会社から受け取る配当等の95%が益金不算入となる外国子会社配当益金不算入制度が創設されましたが、この制度に関連するタックスヘイブン対策税制における配当等の取り扱いについてお知らせ致します。
タックスヘイブン対策税制は、軽課税国・地域(香港・シンガポール・ケイマン諸島等)に所在する実体のない特定外国子会社等(軽課税国・地域に所在する外国関係会社)の所得を内国法人の所得とみなして、内国法人の所得に合算する制度です。今回の税制改正により、非軽課税国・地域から受け取る配当等については、内国法人の平成21年4月1日以後開始事業年度に受け取れば95%益金不算入になりますが、特定外国子会社等から受け取る配当等は経過措置により、その配当等の生じた事業年度が、平成21年4月1日より前に開始されていれば、益金算入となり、従来の間接外国税額控除の適用を受けることになります。
つまり、特定外国子会社等から受け取る配当等が益金不算入となるのは、平成21年4月1日以後に開始した事業年度から生じた配当等からとされます。
また、この経過措置は、タックスヘイブン対策税制の適用除外要件を満たすか否かは関係が無く、特定外国子会社等に該当すれば、適用がある点に注意しなければなりません。
| 2009.06.29 | STCニュース |
経済危機対策における税制上の措置
政府与党は、需要不足に対処する観点から、通常の税制改正に追加して、経済危機対策として税制について所要の整備を行うことを発表しました。具体的施策については、下記の通りとなります。
1.住宅資金贈与に係る贈与税の軽減
平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に20歳以上の者が直系尊属(父母、祖父母等)から居住用家屋の取得に充てるための金銭の贈与を受けた場合には、当該期間を通じて500万円までの贈与は非課税となります。この特例は、暦年課税(110万円)・相続時精算課税(3,500万円)の非課税枠との併用が可能です。従いまして、暦年課税の場合は610万円、相続時精算課税の場合は4,000万円までの贈与が非課税となります。また、相続時精算課税を選択してこの特例を受ける場合には、相続の精算時においても500万円は非課税となり、3,500万円のみが課税対象となります。
2.中小企業の交際費課税の軽減
交際費等の損金不算入制度について、平成21年4月1日以後に終了する事業年度から、資本金1億円以下の法人に係る定額控除限度額が400万円から600万円に引き上げられます。
3.研究開発税制の拡充
試験研究費の総額に係る税額控除制度等について、平成21、22年度(平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に開始する事業年度)において税額控除限度額の引き上げと、平成21、22年度に生じた税額控除限度超過額について、平成23、24年度(平成23年4月1日から平成25年3月31日までの間に開始する事業年度)において繰越控除が可能となります。
| 2009.06.04 | STCニュース |
欠損金の繰戻し還付制度の復活
平成21年度税制改正では、「欠損金の繰戻し還付制度」が復活することになりました。
この制度は、前期が黒字であったため税金を納め、当期は逆に赤字(欠損金)が出た場合に、前期に納めた税金の一部または全部を還付請求することができる制度です。
適用対象となる法人は、原則資本金1億円以下の法人で、平成21年2月1日以後に終了する事業年度から適用を受けられます。
例えば2月決算法人であれば、平成20年2月期が黒字申告で、平成21年2月期が赤字申告の場合に適用を受けることができます。
(例)前期:黒字(所得金額) 200万円 法人税額44万円
当期:赤字(欠損金額)△100万円 法人税額 0円
欠損金の繰戻し還付制度を適用すると、
100万円
44万円×------------- =22万円の還付
200万円
<適用要件>
この規定は、次のすべての要件を満たしている場合に限り適用があります。
(1) 前事業年度(前期)および欠損事業年度(当期)ともに青色申告書を提出していること。
(2) 欠損事業年度の確定申告書を期限内に提出していること。
(3) (2)の申告書と同時に欠損金の繰り戻しによる還付請求書を提出していること。
| 2009.04.30 | STCニュース |
役員給与の改定に関する留意点
世界同時不況と叫ばれ、未だ先の見通しが不安定な現在、企業のコスト削減は最優先課題といえます。その一手段として、役員給与の減額をお考えの経営者の方々も多いのではないでしょうか。役員給与は従業員給与と違い、その増減には制限があるため注意が必要です。以下にその概要をご説明いたします。
現行の役員給与制度では、支給時期が1か月以下の一定期間ごとで、かつ支給金額が毎回同額である給与について、損金算入が認められています。なお、この定期同額給与には、下記のものも含まれるとされており、支給金額を改定する際には、このいずれかに該当するよう留意する必要があります。また、いずれの場合においても、改定前と改定後で、それぞれの支給額が同額であるものに限ります。
(関連条文:法人税法34①、法人税法施行令69①、法人税法基本通達9-2-12,13)
①会計期間開始の日から3か月を経過する日までに改定が行われたもの(例:3月決算法人の場合6月30日まで)
②3か月経過日前に改定できない等の特別な事情にもとづき、3か月経過日後に改定が行われたもの
③役員の職制上の地位の変更など、やむを得ない事情(臨時改定事由)により改定が行われたもの
④業績悪化等により減額改定が行われたもの
なお、平成20年12月に国税庁が公表した「役員給与制度Q&A」では、この規定について、業績悪化等や臨時改定事由の範囲、改定と実際支給のタイミング、期中に複数回の改定を行った場合の取り扱いなど、これまで疑義が生じていた部分が具体的に説明され、明確化されました。
| 2009.04.01 | STCニュース |
沖縄オフィスをオープンしました!
このたび、税理士法人STCは沖縄オフィスをオープンいたしました。
税制上の優遇特区もあり、東アジアの中心として今後ますます発展の可能性のある沖縄にて、アジア経済の懸け橋となるべく、高品質のサービスをご提供致します。
税理士法人STC沖縄支店
〒901-0154
沖縄県那覇市赤嶺二丁目3番1号
TEL:098-857-7032/FAX:098-857-7033
| 2009.04.01 | STCニュース |
事業承継関連・非上場株式の評価に関するガイドラインについて
2月9日、中小企業庁は「経営承継法における非上場株式等評価ガイドライン」を公表しました。
このガイドラインは、3月1日施行の経営承継法の民法特例で遺留分の「固定合意」が認められることになり、その指針となるものです。
今回のトピックスでは、このガイドラインについて説明いたします。
経営承継法の民法特例では、遺留分権利者全員の合意に基づき、遺留分に算定される財産から事業の承継に必要となる非上場株式等を除外すること(除外合意)、その株式等の価額を合意時の価額に固定できる(固定合意)制度を設けました。
中小企業庁は、この「固定合意」を行う際、非上場株式の時価をどのように評価するのか検討を行ってきたところです。
ガイドラインでは、まず、税法、会社法等において利用されている非上場株式の各種評価方法を解説しています。その評価方法は様々なものがあるため、評価対象会社の業種・規模・資産・収益状況や株主構成などを踏まえて、適切な評価方法を選択することが必要として、裁判例とともにその選択の際の留意事項を記載した内容となっています。
このガイドラインでは、解説と留意点を示すことに留まり、唯一絶対の価額はないものとしていますが、今後創設される相続税・贈与税の納税猶予制度とともに事業承継対策の指針としたいところです。
| 2009.03.08 | STCニュース |
税理士法人STCウェブサイト オープンしました。
税務についてのニュースや、スタッフのコラム等を更新していきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
| 2008.10.29 | STCニュース |
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