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最高裁 法人負担の保険料、所得税の控除対象と認めず

最高裁判所第二小法廷は1月13日に、法人が負担した保険料は、満期保険金を取得した法人役員の所得税の控除対象と認めないという判決を下した。
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 原審では、所得税法34条2項の文言からは、控除できる保険料等が、所得者本人が負担した金額に限られるかどうか明らかでは無く、同法施行令183条2項2号では保険料総額を控除できるものと定めており、同法基本通達34-4が規定する保険料又は掛金の額には一時金の支払いを受ける者以外の者が負担した保険料又は掛金の額も含まれているという理由から、法人が負担した分も含め、保険料全額を控除できるとものと判断し、納税者の請求を認めた。

 しかし、最高裁では、『一時所得に係る支出が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に該当するためには、それが当該収入を得た個人において自ら負担して支出したものといえる場合でなければならないと解するのが相当』、『本件保険金に係る一時所得の金額の計算において控除することはできないものというべき』と解し、法人が保険料として損金算入した部分は、必要経費として控除できないと判断、原審の判決を破棄した。 
 また、1月16日にも、類似事件に対し同じ旨の最高裁判決が下されている。


問題となった養老保険は、一般的な法人契約である「死亡保険金の受取人を従業員遺族、満期保険金の受取人を法人とする養老保険」とは逆の形態であり、保険期間が3年又は5年と短く、法人税基本通達の想定外のものであった。

 これらの事件をきっかけに、法人契約の養老保険を利用する租税回避を防止するため、平成23年度税制改正では、個人が支払いを受けた生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の計算上、その支払を受けた金額から控除することができる保険料は、給与所得に係る収入金額に算入された金額に限る旨が、規定された。

| 2012.01.30 | STCニュース |

法人税基本通達等の一部改正

国税庁は平成23年12月28日「法人税基本通達の制定について」他4件の法令解釈通達の一部について、平成23年6月税制改正に関する事項の改正を公表しました。主な改正点は、次の通りです。


① 法人税基本通達等関係
 平成23年6月税制改正による耐用年数短縮特例に対応する通達が新設されました。
耐用年数短縮特例とは、税務上、実際の耐用年数が法定耐用年数に比べて著しく短いこととなった場合に、所轄国税局庁の承認を受ければ、未経過使用可能期間を法定耐用年数とみなし、将来にわたって減価償却費を調整することができるというものです。


新設
・機械及び装置以外の減価償却資産の未経過使用可能期間の算定(法基通7-3-20の2)

 機械及び装置以外の減価償却資産に係る未経過使用可能期間は、使用可能期間を算定しようとする時から通常の維持補修を加え、通常の使用条件で使用するものとした場合において、通常予定される効果をあげることができなくなり更新または廃棄されると見込まれる時期までの見積年数(1年未満の端数切捨て)によることを明らかにしています。


・機械及び装置の未経過使用可能期間の算定(法基通7-3-21の2)

 機械及び装置の未経過使用可能期間は、個々の資産の取得価額(償却基礎価額)及びその個々の資産の使用可能期間を基礎として、耐用年数通達の未経過使用可能期間の算定式に従って算定した年数によると定められました。


・総合償却資産の未経過使用可能期間の算定(耐通1-6-1の2)

 総合償却資産の未経過使用可能期間は、総合償却資産の未経過期間対応償却基礎価額を、個々の資産の年要償却額の合計額で除して計算した年数(1年未満の端数は切り捨て、その年数が2年未満の場合は2年とする。)によることを明らかにしています。
*  未経過期間対応償却基礎価額とは、個々の資産の年要償却額(償却基礎価額を使用可能期間で除した額をいう。)に経過期間の月数を乗じて12で除して計算した金額の合計額を、個々の資産の償却基礎価額の合計額から控除した残額をいいます。


② 租税特別措置法通達関係

 平成23年6月改正により創設された雇用促進税制では、当期における給与支給額が、前期における給与支給額に雇用者の増加割合を乗じて計算した金額に比して30%以上増加していることが条件となっています。
 この給与の支給に充てるため、他の者から支払を受ける金額は、給与支給額の算定から控除する必要がありますが、その金額について次のように定められました。

新設
他の者から支払を受ける金額の範囲(措通42の12-2)
① 特定就職困難者雇用開発助成金、特定求職者雇用開発助成金など、労働者の雇入れ人数に応じて国等から支給を受けた助成金の額
② 法人の使用人が他の法人に出向した場合において、その出向者に対する給与を出向元法人が支給することとしているときに、出向元法人が出向先法人から支払を受けた給与負担金の額


その他、外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン対策税制)について配当収入の効力発生日は現地国法令が優先されること、特定所得の源泉税等の額が配当収入や利子収入の控除対象となることが、留意的に示されました。

| 2012.01.25 | STCニュース |

震災特例法の一部を改正する法律

平成23年4月27日に、東日本大震災の被災者等の負担の軽減等を図るため、「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」(以下、「震災特例法」といいます。)が施行されました。
 また、平成23年12月14日には、東日本大震災の被災者等の負担の軽減及び東日本大震災からの復興に向けた取組の推進を図るため、「震災特例法の一部を改正する法律」が施行されました。
 この「震災特例法の一部を改正する法律」の施行により新たに追加された措置について、所得税・法人税に関する項目をいくつかまとめてみました。

<所得税>
(1) 住宅借入金等特別控除の特例
① 住宅の再取得等に係る住宅借入金等特別控除の控除額の特例
東日本大震災によって自己の所有する家屋が被害を受けたことにより、自己の居住の用に供することができなくなった方が、住宅の取得等をしてその住宅を居住の用に供した場合には、選択により通常の住宅借入金等特別控除の適用に代えて下記の居住年に応じた控除率による「住宅の再取得等に係る住宅借入金等特別控除の控除額の特例」を適用できます。(控除期間は10年)
 (注)この特例の対象となる住宅の再取得等とは1.住宅の新築や購入の場合2.家屋の増改築等の場合をいいます。
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②東日本大震災によって居住の用に供することができなくなった家屋に係る住宅借入金等特別控除と再取得等をした住宅に係る住宅借入金等特別控除の重複適用の特例
東日本大震災によって居住の用に供することができなくなった家屋に係る住宅借入金等特別控除と東日本大震災の被災者の住宅の再取得等の場合の住宅借入金等特別控除は重複して適用できます。この場合控除額はそれぞれの控除額の合計額となります。
(2)雑損控除の損失額の計算等における災害関連支出に係る対象期間の延長の特例
災害関連支出については、その災害がやんだ日から1年以内に支出したものが雑損控除の対象となりますが、東日本大震災により住宅や家財に損害が生じた場合には3年以内に支出されるものが対象となります。
(3)雑損失の繰越控除等の要件の改正
   雑損失の金額でその年分の所得金額から控除しきれない金額を、翌年以後繰越して控除する場合は①損失が生じた年分につき、原則としてその損失に関する事項を記載した確定申告書を確定申告期限までに提出していること②その翌年以後の年分につき、連続して確定申告書を提出していることがその要件とされていましたが、①の要件については確定申告書を確定申告期限後に提出した場合でも適用を受けることができることとされました。
 (4)復興特別区に係る税制上の特例措置
  ・所得税額の特別控除
   認定地方公共団体の指定を受けた方が、その指定があった日から5年を経過する日までの期間(以下「適用期間」という。)内の日の属する各年の適用期間内において、復興産業集積区域内の事業所で雇用する被災者等に対して給与等を支給した場合には、その支給した額の10%相当額(事業所得にかかる所得税額の20%を限度。)をその年分の所得税額から控除できます。
  上記特例措置のほか、事業用設備等の特別償却等、開発研究用資産の特別償却等、被災者向け優良賃貸住宅の特別償却等の特例措置あり
 
(5)被災代替資産等の特別償却の対象への二輪車等の追加等
   被災代替資産等(東日本大震災により滅失等した建物・構築物・機械装置・船舶・車両運搬具等で適用要件・適用範囲を満たすもの)を平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に事業の用に供した場合には、取得時期等に応じた一定の償却割合を乗じた金額の特別償却をすることが可能とされてますが、この被災代替資産等に二輪車等が追加されました。
 (6)被災者向け優良賃貸住宅の割増償却
   特定激甚災害地域内において、平成23年12月14日から平成26年3月31日までの間に、被災者向け優良賃貸住宅を取得又は新築してこれを賃貸の用に供した場合には、賃貸の用に供した日以後5年内の各年について、不動産所得の金額の計算上、その被災者向け優良賃貸住宅の償却費としてその年の普通償却額の100分の150(耐用年数35年以上のものは100分の170)に相当する金額を必要経費に算入することができます。
 
(7)買換資産の取得期間等の延長の特例
   買換えの特例等の適用を受ける方が、東日本大震災に起因するやむを得ない事情により、買換資産等の取得をすべき期間内にその取得をすることが困難となったときには、納税地の所轄税務署長の承認手続きを経て、その取得をすべき期間を経過した日以後2年以内の日で買換資産等を取得できるものとして税務署長が認定した日等までその取得をすべき期間の延長が認められます。
    
 (8)被災居住用財産の敷地に係る譲渡期限の延長の特例
   所有しその居住の用に供していた家屋が、東日本大震災により滅失等したことによって、居住の用に供することができなくなった方について、その居住用家屋の敷地の用に供されていた土地等を譲渡した場合の次に掲げる譲渡所得の課税の特例に係る譲渡期間の要件が、災害のあった日から7年(措置法では3年)を経過する日の属する年の12月31日までの間とすることとされました。
  ①居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
  ②居住用財産の譲渡所得の特別控除
  ③特定の居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例
  ④居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
  ⑤特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

 その他下記の特例が追加されております。
 (9) 復興指定会社が発行した株式を取得した場合の寄付金控除の適用
 (10)確定優良住宅地等予定地のための譲渡の特例期間の延長の特例
 (11)被災市街地復興土地区画整理事業による換地処分に伴い代替住宅等を取得した場合の譲渡所得の課税の特例
 (12)被災市街地復興土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除の特例等

<法人税>
 (1)復興特別区域制度の創設に伴う特例
  ①新規立地促進税制
    東日本大震災復興特別区域法(以下「復興特区法」という。)の施行日から平成28年3月31日までの間に認定地方公共団体の指定を受けた法人で、復興産業集積区域内に新設されたものについては、指定のあった日から同日以後5年を経過する日までの期間(以下「適用期間」という)内の日を含む各事業年度において法人税の課税が繰り延べられるよう、次の特例を受けることができます。
   1.所得金額を限度として再投資等準備金を積み立てたときは、その積立金を損金の額に算入できます。
   2.復興産業集積区域内で機械又は建物等に再投資等を行った事業年度において、準備金残高を限度として特別償却ができます。
 
(2)被災雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除
復興特区法の施行日から平成28年3月31日までの間に認定地方公共団体の指定を受けた法人が、適用期間内の日を含む各事業年度において、復興産業集積区域内の事業所で雇用する被災者に対して給与等を支給する場合には、適用期間内の給与等支給額の10%税額控除(法人税額の20%を限度。)ができます。
  上記特例措置のほか、事業用設備等の特別償却等、研究開発税制の特例等、被災者向け優良賃貸住宅の特別償却等の特例措置あり

 (3)被災代替資産等の特別償却の特例
   震災特例法で措置された被災代替資産等の特別償却の特例について、特別償却の対象となる被災代替資産に二輪車等が追加されています。

 (4)被災者向け優良賃貸住宅の割増償却の特例
   平成23年12月14日から平成26年3月31日までの間に特定激甚災害地域内において新築された被災者向け優良賃貸住宅の取得等をして、賃貸の用に供した場合には、5年間、普通償却限度額の50%(耐用年数35年以上のものは70%)の割増償却ができます。

 (5)災害による繰越損失金の範囲の改正
   災害損失欠損金額となる災害により生じた損失額の範囲について、東日本大震災などの大規模な災害の場合には、災害のやんだ日の翌日から3年(改正前は1年)以内に支出する費用に係る損失の額が含まれます。

 その他下記の特例が追加されております。
 (6)被災市街地復興土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除の特例等

| 2012.01.20 | STCニュース |

復興財源確保法成立

「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」が国会で可決成立し、12月2日に公布されました。時限的な税制措置としては、所得税、法人税、個人住民税について、復興特別税として増税が行われます。

・復興特別所得税
 2013年1月から25年間基準所得税額(注1)の2.1%

・復興特別法人税
 各課税事業年度(2012年4月1日から2015年3月31日までの期間内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する各事業年度)の基準法人税額(注2)の10%
*2012年4月1日以後に開始する事業年度から法人実効税率は約5%引き下げられます。

・個人住民税(均等割)
 2014年6月から10年間1人あたり年1,000円


(注1)基準所得税額
納税義務者の区分に応じて定められた、外国税額控除適用前の所得税の額

① 非永住者以外の居住者
全ての所得に対する所得税の額
② 非永住者
国内源泉所得及び国外源泉所得のうち国内払のもの又は国内に送金されたものに対する所得税の額
③ 非居住者
国内源泉所得に対する所得税の額
④ 内国法人
利子等及び配当等などに対する所得税の額
⑤ 外国法人
国内源泉所得のうち利子等及び配当等などに対する所得税の額


(注2)基準法人税額
特定同族会社の特別税率、所得税額控除、外国税額控除、仮装経理に基づく過大申告
の場合の更正に伴う法人税額の控除等の適用前の法人の各事業年度の法人税額

復興特別税は確定申告書とは別に申告書の作成と提出の必要があり、申告期限はそれぞれの確定申告書と同じになります。復興特別税の申告書の提出を行うことにより、源泉徴収された復興特別所得税は、復興特別法人税あるいは復興特別所得税から控除されます。控除額が、復興特別税の納税額を上回る場合には還付されます。


増税規模は総額10.5兆円であり、内訳は所得税7.5兆円、法人税2.4兆円、個人住民税0.6兆円となります。

| 2011.12.20 | STCニュース |

平成24年度税制改正大綱の概要

平成24年度税制改正大綱が、12月10日に閣議決定されました。

中小企業の支援のための、中小企業投資促進税制の拡充・延長等や省エネ住宅に係るローン減税や贈与税一部非課税措置を図る一方、個人の所得税の増税、地球温暖化対策税の創設などの負担増も見られます。
焦点であった自動車重量税と自動車取得税については、自動車重量税の一部を軽減し、エコカー減税の継続をすることとし、その他国際的租税回避の防止策も盛り込まれています。

平成23年度税制改正予定であった相続税の改正は今年も見送られていますが、消費税増税や社会保障制度の確立、東日本大震災の復興支援増税を念頭に置いたものとなっています。

主な概要は、以下の通りです。

1. 所得課税
(1)給与所得控除の見直し
①給与所得控除の上限設定
給与等の収入が1,500万円を超える場合の給与所得控除については、245万円の上限を設定
②特定支出(資格取得費、勤務必要経費)の範囲の拡大 ※勤務必要経費は上限65万円
③特定支出の合計額が、次の金額を超える場合、その超える部分の金額を給与所得控除額に加算
  ・その年の給与等の収入1,500万円以下:その年中の給与所得控除額の2分の1
  ・その年の給与等の収入1,500万円超:125万円
 (注)平成25年分以後の所得税及び平成26年度分以後の個人住民税について適用

(2)退職所得課税の見直し
勤続年数5年以下の法人役員等の退職所得について、2分の1課税を廃止
(注)平成25年分以後の所得税について適用。個人住民税は平成25年1月1日以後に支払われるべき退職手当等について適用。

(3)源泉徴収に係る所得税の納期に関する特例
①7月から12月までに支払った給与・退職手当等につき徴収した所得税の納期限を翌年1月20日(現行:翌年1月10日)とする。
②給与・退職手当等につき源泉徴収した所得税の納期限の特例の廃止
(注)平成24年7月1日以後支払う給与・退職手当等につき適用

(4)住宅借入金等を保有する場合の所得税控除について、認定省エネルギー建築物のうち一定の住宅(以下、「認定住宅」)の新築又は取得をして、平成24年又は25年に居住の用に供した場合における住宅借入金等の年末残高の限度額を拡大。
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2. 資産課税
(1)住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置(現行1,000万円)を拡充・延長
 ①省エネルギー性・耐震性を備えた良質な住宅家屋の場合
平成24年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,500万円
平成25年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,200万円
平成26年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,000万円
  東日本大震災の被災者は、1,500万円
 ②上記以外の住宅用家屋の場合
平成24年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合 1,000万円
平成25年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合  700万円
平成26年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合  500万円
 東日本大震災の被災者は、1,000万円
※対象となる住宅用家屋の床面積は東日本大震災の被災者を除き240㎡以下
 (注)平成24年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金につき適用

(2)住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例の適用期限を3年延長

(3)相続税の連帯納付義務について、次の場合はその義務を解除
①申告期限等から5年を経過した場合(ただし、申告期限等から5年を経過した時点で連帯納付義務の履行を求めているものについては、継続して履行を求めることができる)
②納税義務者が延納又は納税猶予の適用を受けた場合
 (注)平成24年4月1日以後に申告期限が到来する相続税につき適用

(4)新築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を2年延長
(5)原子力災害非難区域等に固定資産税等の免除・減額措置を適用

3. 法人課税
(1)研究開発税制の上乗せ特例を2年延長
(2)環境関連投資促進税制を拡充
(3)中小企業投資促進税制について、対象資産に製品の品質管理の向上に資する試験機器等を追加するとともに、デジタル複合機の範囲の見直しを行った上、適用期限を2年延長
(4)交際費等の損金不算入制度、中小法人に係る損金算入の特例の適用期限を2年延長
(5)使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例の適用期限を2年延長
(6)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限を2年延長
(7)東日本大震災被災地域における各種特別償却・税額控除の創設


4. 消費課税
(1)消費税・たばこ税・酒税税率引き上げを検討


5. 環境関連税制
(1)車体課税
①自動車重量税の一部軽減
・車検証の交付等の時点で燃費等の環境性能に関する一定の基準(燃費基準等の切り替えに応じて変更。現時点では平成27年度燃費基準等)を満たしている自動車には、平成24年5月1日以降、本則課税を適用する。それ以外の自動車に適用される「当分の間税率」について、13年超の自動車を除き、引き下げを行う。
・「エコカー減税」について、燃費基準等の切り替えを行うとともに、自動車重量税については特に環境性能に優れた自動車に対する軽減措置を拡充した上で、適用期限を
3年延長する。
② 自動車取得税
「エコカー減税」について、燃費基準の切り替えを行うとともに、適用期限を3年延長する。

(2)エネルギー課税
①「地球温暖化対策のための課税の特例」を創設し、CO2排出量に応じた税率を上乗せ
(注)平成24年10月1日以後適用

6. 国際課税
(1)国内担保法の整備
2011年11月に税務行政執行共助条約に署名したこと等を踏まえ、条約の国内担保法の整備の一環として、徴収共助に関する規定の見直しを行う。

(2)国外財産調書の提出
①その年の12月31日において価額の合計額が5千万円を超える国外資産を保有する個人は、その保有する国外資産に係る調書を、翌年3月15日までに、税務署長に提出しなければならない。
(※)財産の評価は、原則として時価とする。
②国外財産調書の不提出・虚偽記載に関する罰則の設定
③過少申告加算税等の特例あり
(注)平成26年1月1日以後に提出すべき国外財産調書につき適用

(3)所得金額に比して過大な利子を関連者間で支払うことを通じた租税回避を防止するための措置を導入
  法人間の関連者に対する純支払利子等の額が、調整所得金額の50%を超える場合には、その超える部分の金額は、当期の損金の額に算入しない。
(注)平成25年4月1日以後に開始する事業年度につき適用


参考:財務省ホームページ
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/index.html

| 2011.12.16 | STCニュース |

通勤手当の非課税限度額の改正について

平成23年度税制改正により、自転車やマイカーなどの交通用具を使用して通勤する方が平成24年1月1日以後に受ける通勤手当の非課税限度額が変更となります。

<概要>
 マイカーなどで通勤している方の非課税となる1ヶ月あたりの限度額(以下「距離比例額」という。)は、次のように定められております。
23.12上.png
   
 また、マイカーなどを使用して通勤する方で通勤距離が片道15km以上である方が受ける通勤手当については、運賃相当額が距離比例額を超える場合には運賃相当額(最高限度額は月10万円)までが非課税とされています。
 (注)運賃相当額とはマイカーなどを使用して通勤する方が鉄道などの交通機関を利用したならば負担することとなるべき運賃等で通勤に必要な運賃、時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤経路及び方法による運賃又は料金の額に相当する金額を言います。

<改正点>
 今回の改正により、運賃相当額が距離比例額を超える場合に、運賃相当額(最高限度額は月10万円)までが非課税とされる措置が廃止とされました。これにより通勤手当の金額が距離比例額を超える場合に、その距離比例額を超える金額について給与として課税されることとなります。
 下記を参照してください。
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平成24年1月1日以後支給の通勤手当から変更となりますので、ご注意ください。

| 2011.12.09 |

長期譲渡損失の損益通算の遡及適用は合憲

平成16年法律第14号による租税特別措置法31条の改正により、長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額を他の各種所得の金額から控除する損益通算は認めないこととされました。当該改正法は、平成16年4月1日に施行されましたが、同条の規定は平成16年1月1日以後に行う土地等又は建物等の譲渡について適用するものとされたことが、納税者に不利益な遡及立法であって憲法84条に違反すると納税者が訴えた裁判でした。

 憲法84条では、『あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする』と定めており、租税法律主義を規定しています。
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 最高裁は、平成16年の暦年当初から適用することとされたのは、適用の始期を遅らせた場合、資産デフレの進行に歯止めをかけたいという立法目的にも関わらず、損益通算による租税負担の軽減を目的として土地等又は建物等を安価で売却する駆け込み売却が多数行われることになり、それを防止したいという公益上の要請に基づくものであったということができるとし、また、暦年の初日から改正法の施行日の前日までの期間をその適用対象に含めることにより暦年の全体を通じた公平が図られる面があり、また、その期間も暦年当初の3か月間に限られており、納税者においては、これによって損益通算による租税負担の軽減に係る期待に沿った結果を得ることができなくなるものの、それ以上に一旦成立した納税義務を加重されるなどの不利益を受けるものではない、と判断をし、遡及適用は憲法84条に違反するものではないとしました。

平成21(行ツ)73 通知処分取消請求事件  
平成23年09月22日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

| 2011.12.02 | STCニュース |

環境関連投資促進税制の創設

 平成23年度税制改正で、青色申告法人が平成23年6月30日から平成26年3月31日までの期間内に、新品のエネルギー環境負荷低減推進設備等の取得又は製作若しくは建設(以下「取得等」という)をして、その取得等の日から1年以内に国内において事業の用に供した場合には、その事業の用に供した事業年度において、その設備等の取得価額の30%相当額の特別償却(中小企業者等は7%相当額の税額控除との選択適用)を行うことが可能となりました。
<適用対象法人> 
・特別償却⇒青色申告書を提出する法人
・税額控除⇒中小企業者等で青色申告書を提出する法人
sugawara.png(注) 中小企業者等とは、次に掲げる法人です。
①資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
ただし、同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除く。以下同じ。)に発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上を所有されている法人及び2以上の大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を所有されている法人を除く。
②資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

<適用対象年度> 
上記期間内にエネルギー環境負荷低減推進設備等の取得等をして、その事業の用に供した事業年度

<償却限度額> 
特別償却限度額=エネルギー環境負荷低減推進設備等の取得価額×30%

<税額控除限度額> 
税額控除限度額=エネルギー環境負荷低減推進設備等の取得価額の合計額×7%
(事業年度の法人税額の20%相当額を限度)
(注) 税額控除限度額がその事業年度の法人税額の20%相当額を超え、その事業年度において税額控除限度額の全部を控除しきれなかった金額(以下「繰越税額控除限度超過額」)については、1年間の繰越しが認められます。

<適用対象資産>
対象資産となるエネルギー環境負荷低減推進設備等は、取得等をした後事業の用に供されたことのない次に掲げる減価償却資産で、指定期間内に取得等をして、その取得等をした日から1年以内に事業の用に供されたものです。

1.エネルギーの有効な利用の促進に著しく資する機械その他の減価償却資産
①新エネルギー利用設備等・・・太陽光発電設備、風力発電設備、水熱利用設備、雪氷熱利用設備、バイオマス利用装置など
②二酸化炭素排出抑制設備等・・・熱併給型動力発生装置、ハイブリット自動車、電気自動車、ガス冷房装置など
2.建築物に係るエネルギーの使用の合理化に著しく資する設備
①エネルギー使用合理化設備・・・高断熱窓設備、高効率空気調和設備など
②エネルギー使用制御設備・・・測定装置、中継装置、可変風量制御装置など

<その他注意事項>
・一の資産についてこの制度による特別償却と税額控除との重複適用は認められません。
・当制度による特別償却又は税額控除の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の圧縮記帳、他の制度による特別償却又は他の税額控除の規定の重複適用は認められません。
・特別償却の適用を受けるためには、確定申告書等に償却限度額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。
また税額控除の適用を受けるためには、控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。
・特別償却の適用を受けることに代えて、特別償却限度額以下の金額を損金経理により特別償却準備金として積み立てること又はその事業年度の決算確定日までに剰余金の処分により特別償却準備金として積み立てることにより、損金の額に算入することも認められます。

| 2011.11.14 | STCニュース |

平成23年分 年末調整の改正点

平成22年度税制改正により、下記の通り扶養控除等の見直しが行われました。
平成23年分以後の所得税について適用されますので、年末調整の際にはご注意下さい。

1. 年齢16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)に対する扶養控除が廃止されました。
これに伴い、年齢16歳以上の扶養親族(控除対象扶養親族)が、扶養控除の対象となります。
2. 年齢16歳以上19歳未満の人の扶養控除の上乗せ部分(25万円)が廃止され、扶養控除の額が38万円となりました。
これに伴い、特定扶養親族の範囲が、年齢19歳以上23歳未満の人に変更されました。
3. 居住者の控除対象配偶者又は扶養親族が同居特別障害者である場合に、配偶者控除又は扶養控除の額に35万円を加算する措置は廃止され、同居特別障害者に対する障害者控除の額を1人につき75万円とする制度に改められました。

表1.png

表2.png

詳しくは、下記国税庁ホームページをご参照ください。
http://www.nta.go.jp/gensen/nencho/

| 2011.11.09 | STCニュース |

子育てサポート企業に対する税制優遇制度の創設

平成23年度税制改正で社員の育児環境整備に積極的な企業を支援するための税制優遇制度が設けられました。子育てサポート企業として、次世代育成支援への取り組みを推進している「くるみん」を取得された企業の皆様は、是非この税制優遇制度を積極的に活用してください。
「くるみん」とは、次世代法によって企業が従業員の仕事と子育ての両立について行動計画を策定し、その行動計画に定めた目標を達成するなど一定の要件を満たした場合に「子育てサポート企業」として認定を受けた際に発行されるマークです。

<1.税制優遇制度の概要>
次世代育成支援対策推進法(以下「次世代法」)に基づく認定を受け、「くるみん」を取得した企業は、認定を受ける対象となった一般事業主行動計画の計画期間開始の日から認定を受けた日を含む事業年度終了の日までの期間内に取得・新築・増改築をした建物等について、認定を受けた日を含む事業年度において、普通償却限度額の32%の割増償却ができます。

対象資産の通常の減価償却費(A)+(A)×32%

法人⇒損金算入  個人事業主⇒必要経費算入


<2 税制優遇制度の対象となる事業主の要件>
① 青色申告書を提出する事業主であること
② 平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に始まるいずれかの事業年度において、次世代法の認定を受けること
※個人事業主の場合は、平成24年1月1日から平成26年12月31日までの各年に次世代法の認定を受けた場合に対象となります。
※過去に認定を受けたことのある事業主が、当該期間内に新たに認定を受けた場合でも対象。
※当該期間内に複数回認定を受けた場合、最初の認定についてのみ対象。
<3 適用対象の建物等>
以下の①②のどちらにも当てはまる建物及びその附属設備(以下「建物等」)が
割増償却の対象となります。

① 次世代法の認定を受けた日を含む事業年度終了の日において、事業主が所有し、事業のために使用している建物等
②認定を受ける対象となった行動計画の(ア)計画期間開始の日から認定を受けた日を含む事業年度終了の日までの期間内に取得した建物等で、その建設の後、事業のために使用されていないもの、または(イ)その期間内に新築・増改築をした建物等
※ 所有権が移転しないリース取引により取得したものを除く。
※ 増改築の場合は、増改築のための工事を行ったことによって所有することとなった
  建物等の部分に限る。
※ 「建物およびその附属設備」の例
  ●事務所用建物、店舗用建物、病院用建物、工場用建物、倉庫用建物、事業所内保育施設
  ●電気設備、アーケード・日よけ設備、給排水・衛生設備、ガス設備

当該取扱いについては、厚生労働省のホームページをご参照下さい。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/dl/jisedaihou.pdf

| 2011.10.20 | STCニュース |

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