国税庁「インボイス制度開始後において特にご留意いただきたい事項」を公表

2023.12.11

国税庁は「インボイス制度開始後特にご留意いただきたい事項」においてを公表しました。
インボイス制度開始後において「登録通知が未達の場合の対応」、「インボイスの適正性の確認」、「クレジットカードの利用の場合」に関する取扱いが公表されています。

1.登録通知が未達の場合の対応
今年、新規開業し、期首から登録を受けるべく登録申請をしたものの、まだ通知が届かない場合どのように交付すればいいでしょう?

この場合、次の対応が考えられます。

① 事前にインボイスの交付が遅れる旨を先方に伝え、通知後にインボイスを交付する

② 通知を受けるまでは登録番号のない請求書等を交付し、通知後に改めてインボイスを交付しなおす

③ 通知後にすでに交付した請求書等との関連性を明らかにした上で、インボイスに不足する登録番号を書類やメール等でお知らせする

事後的な交付が困難な小売店等は、次のような対応が可能です。
事前にインボイスの交付が遅れる旨を事業者のHPや店頭にて相手方にお知らせする
→事業者のHP等において登録番号を掲示し、相手方にそのページとレシートを併せて保存してもらう
→買手側からの電話等に応じ、登録番号をお知らせし、相手方にその記録をレシートと併せて保存してもらう

2.インボイスの適正性の確認
(1) 売手から受領したインボイスについて、登録番号が適正なものか、取引の都度確認する必要がある のでしょうか?

インボイスの適正性(番号が有効かどうか)については、事業者においてご確認いただく必要があります。

ただし、必ずしも取引の都度確認する必要はなく、取引先の規模・関係性・取引の継続性などを踏まえ、判断することになります。
継続的取引先(大手)→最初の1回
継続的取引先(小規模)→年1回
新規・単発の取引先→取引時に確認
※ 登録は、自ら届出等しない限り有効であり、取消しも課税期間(原則1年)単位でしかできないため、これらも踏まえてご検討ください

(2) インボイス公表サイトでの検索結果と、インボイスに記載された名称(屋号)が異なる場合はどうすればいいですか?
公表サイトは、取引先から受領した請求書等に記載されている番号が、「登録番号」として取引時点において有効なものかを確認するために利用いただくものであり、その有効性が確認できれば、一義的には正しいインボイスとして取り扱って差し支えありません。

3.クレジットカードの利用の場合
クレジットカード利用明細書は、一般的にインボイス記載事項を満たす書類には該当しないため、その保存のみで仕入税額控除はできません。
購入時の領収書等→消費税法上の「請求書等」(簡易インボイス) に該当し、これを保存することで、仕入税額控除できる
クレジットカード利用明細書→従前より、クレジットカード利用明細書の保存では、仕入税額控除できない

ただし、例えば、少額特例の対象となる取引や、公共交通機関特例、出張旅費等特例など、インボイス保存不要で仕入税額控除が可能となる特例の対象となる取引については、クレジットカード利用明細書等に基づいて仕入税額控除に係る処理を行ったとしても問題ありません。 

また、ETCの利用に係るクレジットカード利用明細書は、ETC利用照会サービスからダウンロードした利用証明書 (高速道路会社等ごとに任意の一取引)と合わせることで、簡易インボイスの記載事項を満たすものとなるので、その場合は、保存が必要になります。

【国税庁】 インボイス制度開始後特にご留意いただきたい事項

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0023011-111.pdf



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