令和5年分確定申告特設サイトの公開及び令和5年分確定申告の主な変更点

2024.01.15

国税庁は今月4日に、令和5年分確定申告特設サイト及び確認申告作成コーナーを公開しました。

【令和5年分確定申告特集】
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm

【国税庁 確定申告書等作成コーナー】

https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl


令和5年分確定申告の主な変更点

令和5年分確定申告に関して、主に下記の変更点がございます:


1.納税地の異動・変更の手続きが原則不要になりました。

令和5年1月1日以降に所得税や消費税の納税地の異動・変更をする際の届出書の提出が不要になりました。

●参考:【国税庁 タックスアンサーNo.2029 確定申告書の提出先(納税地)】

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2029.htm

納税地の異動又は変更がある場合は、第一表の確定申告書の住所(居所・事業所)欄に異動後や変更後の納税地を記載すればよいこととなります。


2.所得税及び住民税において上場株式等の配当・譲渡所得の課税方式の統一化

令和5年分から、
・所得税で申告不要を選択した場合、個人住民税でも申告不要となります。
・所得税で総合課税・分離課税を選択した場合、個人住民税も同じ課税方式が適用となります。

●参考:【東京都港区 上場株式等に係る配当所得等・譲渡所得等の課税方式の統一】

https://www.city.minato.tokyo.jp/kazei/zyouzyoukabushiki.html


そのため、確定申告書の第二表『住民税・事業税に関する事項』の『特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要』欄が削除されております。


3.国外居住親族に対する扶養控除の適用条件変更

令和5年1月より、30歳以上70歳未満の国外居住親族に対する扶養控除適用の条件が厳しくなりました。
以下のいずれかの条件に該当する場合のみ扶養控除を適用できます。

① 留学により日本に住所及び居所を有しなくなった者
② 障害者
③ その年に扶養控除の適用を受ける者から38万円以上支払を受けている者

さらに提出書類にも変更があり、上記の国外居住親族について扶養控除の適用を受けようとする居住者は、給与等又は公的年金等の支払者に一定の確認書類の提出又は提示をする必要となります。

①留学に関しては、従来の親族関係書類に加え、「留学ビザ等書類」も必要となります。
また、③に関して、送金額を38万円以上となったことを証明できる送金書類が必要となります。

●参考:【国税庁 国外居住親族に係る扶養控除等の適用について】

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/kokugai/index.htm

4.財産債務調書制度及び国外財産調書制度の改正

令和5年分以後の提出義務者・提出期限などについて見直しが行われました。

・財産債務調書の提出義務者の拡大:
下記①及び②を満たす方(従来の制度においての対象者)、
①その年分の退職所得を除く各種所得金額の合計額が2,000万円を超える者
②その年の12月31日時点で合計価額が3億円以上の財産、または合計価額が1億円以上の有価証券等(国外転出特例対象財産)を所有する者、
及び、「その年の12月31日においてその価額の合計額が10億円以上の財産を有する居住者」も対象になりました。

・財産債務調書及び国外財産調書の提出期限の後倒し
令和5年分以後は、提出期限が翌年6月30日(令和5年分は令和6年6月30日)までとなります。

他の改正点については下記国税庁の資料をご参照ください。
●参考:【国税庁資料 財産債務調書制度等の見直しについて】

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/zaisan_saimu/pdf/zaisan_leaflet.pdf


5.特定非常災害に関連する損失の繰越控除期間の延長

令和5年度の改正により、令和5年4月1日以降に発生する特定非常災害につきまして、災害に関連する損失(純損失及び雑損失)の繰越控除期間が3年から5年に延長になりました。また、確定申告書の様式において特定非常災害の被災者の方用の第四表の『付表(一)(二)(三)』が新たに設けられております。

●参考:【国税庁資料 災害により被害を受けられた方へ 】

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/h30/0018008-045/pdf/fukko-tokubetsu.pdf

(※令和6年能登半島地震も特定非常災害に指定されております。
【内閣府 特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律】

https://www.bousai.go.jp/taisaku/hourei/tokubetsu_houritsu.html


以上は令和5年分に関する主な変更点となります。


以前にも本所のニュースコラムにて申し上げましたが、本年の確定申告の期間は2月16日から始まり、所得税・贈与税の申告・納付期限日は3月15日(金)となり、個人事業者の消費税の申告・納付期限日は4月1日(月)となっております。

期限に余裕をもって申告できるようにしていきましょう。


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